教学IR・URA・ファンドレイザー、大学職員の専門職求人
大学職員として正規職員で就職する場合には、様々な部署を異動する総合職としての活躍が期待されます。
一方で、近年では専門性を期待されて中途採用・人事異動を行う職員も一部います。
本記事では、近年注目されている大学職員の専門職を紹介します。
- 教学IRなどのデータ分析を行う専門職員
- 産学連携・研究推進をマネジメントするURA
- 資金提供を募るファンドレイザー
総合職として職務を経験している中で特定の専門性を身につけるケースもあれば、専門性がある職員を中途採用するケースもあります。
今後、大学職員には専門性が求められるようになっていきますので、参考にしてもらえればと思います。
教学IRの専門職
IRとは、Institutional Researchの略で教育・研究・経営などの観点から、データ分析等を行う活動全般をいいます。
IRの中でも、教育に注目した「教学IR」は多くの大学が教育改革のテーマとして採り入れています。
具体的には以下のような取組が挙げられます。
- 入学前、在学中の成績を数値化し、今後の入試・教育活動に活かす
- 統計データから、退学者や留年者を減らす取組を計画する
- 各種データの集計・分析
従来であれば経営を担う大学教員が中心に取り組んでいた教育改革ですが、大学職員に期待される役割の1つになっています。
複数の部署を跨いだ連携が必要な取り組みであり、多忙な教員が担うのではなく、専門職員を配置するケースが増えています。
学生支援課や教務課を経験した職員を配置しているケースもあれば、統計やデータ分析の業務経験のある職員を特任職員として雇用しているケースもあります。
研究に関するマネジメントを行うURA
URAは、University Research Administratorの略で研究活動を支える職員のことをいいます。
リサーチ・アドミニストレーターと呼ばれることもあります。
経営環境が厳しくなっている大学業界では、研究資源の最大化は1つの大きなテーマです。
URAの仕事には以下のようなものがあります。
- 産学連携・共同研究の橋渡し
- 研究成果の活用促進、プレスリリース
- 研究費獲得、表彰のための書類作成補助
教育・研究に必要な業務が増えている中、研究資源を活かすのに貢献するのがURAです。
研究費の獲得や受託研究の受け入れなど、直接大学の収益に貢献できるのが魅力の仕事と言えるでしょう。
定年を迎えた教員や関連機関から採用されることも多いです。
従来の大学職員では、官公庁とのコネクションや、競争的研究費獲得のノウハウは限界があるからです。
大学院を卒業し研究の業績を持つ方が多い専門職ですが、総合職の大学職員でも勉強を続ければ、専門性を身につけることができます。
研究を支える専門職を目指すのも1つの選択肢といえます。
大学の活動資金を集めるファンドレイザー
ファンドレイザーは、主に非営利団体で資金調達を専門にする職業のことをいいます。
社会意義の高い活動を続けるには資金が必要です。大学においても授業料と運営費交付金だけでは活動に限界があるため、資金獲得の方法を模索しています。
その1つがファンドレイザーや基金室における資金調達業務です。
- 卒業生に寄附を募る
- 地元企業・関連企業に研究への出資を依頼する
- クラウドファンディングによる資金調達を行う
大学で勤務しているとわかりますが、信じられないほど多額の寄附をしてくださる方がいます。
資金余力のある企業だけでなく、在学生の親御さんなどからも莫大な寄附をいただけるケースがあります。
大学の資金調達のために、大学の社会貢献活動をアピールしたり、寄附金の使い道を公表したり、地元企業へ訪問を行ったりと地道な活動を行っています。
単純な事務作業を行う職員は人事異動で配置されることもありますが、管理職には金融機関などで資金調達の経験がある職員が採用されることが増えています。
金融機関での勤務経験・資金調達の業務経験があれば、ファンドレイザーや基金室の職員として中途採用されるケースもあるので、大学の求人を確認してみましょう。
情報システム・インフラ保守を担う専門職員
情報システム・インフラを担当する部署は大きな組織にはあります。
大学でも、情報システム課のような部署があり、事務職員・技術職員が配置されています。
インフラの保守や情報に関する知識に豊富な専門職員は求められていますが、ここまで挙げた3つの職種に比べると外注化の動きが強いように感じます。
- 外部システムの利用に関しては、大学内で完結させることが不可能
- システム運用を外注するのであれば、専門的な知識は不要のケースも多い
大学で稼動するシステムを開発するシステムエンジニアや、システム運用経験がある職員の中途採用もありますが、特任雇用など有期雇用のケースが多いです。
まとめ:専門性があれば中途採用に有利
大学職員で近年注目を浴びている「専門職」を紹介してきました。
- 専門知識のある教員が担っていた業務を職員が担当するようになってきた
- 大学の根幹である教育・研究に関して専門性のある職員が必要とされている
- 資金調達・補助金獲得などに関連付けられる専門性は重宝される
現役の大学職員であれば、これらの専門性を身につけることで大学内で替えの効かない職員になることができるでしょう。
また大学への転職を検討している場合、これらに関連した求人は非常に多くなっています。
職歴や資格とともにアピールできる要素がある場合は是非、選考を受けることをオススメします。
大学が必要とする専門知識を有する候補者は希少なので、給与・待遇を上げて採用されるケースもありますよ。
転職に関しては、以下の記事も参考にしてみてください。