大学職員と公務員どっち?市役所・私立・国立の比較と転職・併願の事例
大学職員と公務員は仕事内容が似ていることもあり、よく比較されます。
国立大学職員として7年以上働いており、公務員に転職した友人がいる筆者が大学職員と公務員それぞれの魅力・違いを紹介します。
- 年収・待遇は、公務員>大学職員
- 仕事内容・副業は、公務員<大学職員
- 試験の難易度は、公務員:難>大学職員:易
- どっちがいいかは、仕事に求めることによる
年収や待遇面でいえば公務員が有利ですが、学生を相手にした仕事などの魅力が大学職員にはあります。
「公務員から大学職員に転職」「大学職員から公務員に転職」それぞれの経歴を持つ友人のエピソードも紹介しますので、転職したい方も参考にしていただければと思います。
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大学職員と公務員の違い
大学職員と公務員の違いを3つの観点から紹介します。
併願先となることの多い「国立大学法人職員」と「市役所職員」で比較することにします。
年収・待遇の違い
年収は大学のある地域や平均年齢、地方公務員か国家公務員かで異なります。
同地域・同年齢で国立大学と地方公務員の給与を比較すると、公務員の方が50万円~100万円程度年収が高くなります。
また、準公務員といわれる大学職員より、公務員の方が社会的信用は高いです。
仕事内容・副業の違い
大学運営に関わる人事・学務・会計の事務処理
例:学生相談、会議の運営、教職員の労務管理・給与支給事務
自治体運営に関わる総務・広報・財務・市民サービス
例:選挙運営、税金の徴収、戸籍・住民台帳の管理、福祉サービスの提供
事務系の大学職員、公務員の仕事は、事務手続き中心という点では変わりません。
大学職員は「教員・学生のサポート」、公務員は「市民のサポート」を行っています。
より身近な人をサポートするという面では、大学職員のほうがやりがいがあるかもしれません。
また、公務員は法律により副業が禁止されていますが、国立大学職員の副業を妨げる法律はありません(副業を禁止する就業規則はあり)。
試験の難易度の違い
教養試験(筆記)の勉強時間300~400時間
教養試験・専門試験(筆記)の勉強時間600~800時間
国立大学職員の試験難易度は市役所試験と同程度のレベルと言われています。
実際には、市役所を含む公務員試験は自治体によって出題範囲が変わるため、公務員試験の対策のほうが必要な勉強時間が長くなります。
どちらも筆記試験は足切りの一次試験で、二次試験以降の面接試験が重要になります。
面接においては大学職員も公務員も「志望動機」「自己PR」をしっかり練る必要がありますが、難易度に大差はないため、筆記試験の勉強時間の差で公務員のほうが難しいといえます。
大学職員と公務員どっちがいい?
大学職員と公務員でどっちがいいかは、「やりたい仕事」「譲れない条件」などによります。
大学職員に向いてる人
大学職員に向いてるのは以下のような人です。
- 「研究」「教育」に興味がある
- 大学や大学病院で働いていみたい
- 年収が低くても問題ない
- 公務員叩きをされたくない
- 副業で稼ぎたい
国立大学職員は準公務員と言われますが、公務員ほどの年収・安定性はありません。
公務員ほどの年収や地位を求めない人、副業も視野に入れたい人は大学職員でもいいかもしれません。
関連記事:大学職員に向いてる人の特徴4選!求められる能力・必要な能力も紹介
公務員に向いてる人
公務員に向いてるのは以下のような人です。
- 勤務地域・仕事内容にこだわりがない
- 年収は高いほうがいい
- 安定性・社会的地位を重視する
年収や社会的信用・安定性では、やはり公務員に軍配が上がります。
国立大学職員と地方公務員どちらも合格し、勤務地域・仕事内容などにこだわりがなければ、公務員を選択する人が多いでしょう。
大学職員と公務員の併願・転職
実際に、国立大学法人試験と公務員試験を併願して志望する人は多いです。
国立大学法人職員と市役所の併願はどっちを選ぶ?
筆者が勤める大学の、採用者のデータを人事担当に聞いたことがあります。
ある年の採用では、内定者の半数以上が入職せず、併願先の公務員等を選んでいました。
大学でやりたいことが決まっていない人は、市役所や県庁を選ぶケースが多いです。年収や待遇も公務員の方が上です。
大学職員から公務員への転職の事例
国立大学職員から公務員(県庁職員)に転職した友人がいます。
- 29歳女性
- 既婚
- 優秀で大学の花形部署を経験
- 転職理由:優秀な人が忙しい部署に回される状況に嫌気がさした
国立大学法人試験に合格していれば、公務員試験の合格は難しくありません。
事務手続きの知識や経験があるので、面接試験も難なく合格したと言っていました。
「大学で得た知識・経験を、公に活かしてみたい」という志望動機を使っていたようです。確かに説得力のある志望動機だと思います。
公務員から大学職員への転職の事例
公務員から国立大学職員に転職した人も知っています。
- 27歳女性
- 独身
- 地方公務員として5年ほど勤務
- 転職理由:首都圏で働きたく、転職活動をした。
新卒時に地方公務員に合格したため、田舎で仕事をしていたが、退屈だったので首都圏への転職を決意。
公務員や民間企業も併願していたが、合格した国立大学に入職。
仕事は退屈だけど、首都圏で働けて給料はもらえている満足しているとのことです。
国立大学法人と市役所は仕事内容が似ており、試験内容も近いので、30歳までに試験を受けて転職するケースはよくあります。以下の記事で事例を紹介しています。
大学職員と公務員に関するよくある質問
大学職員と公務員に関するよくある質問を取り上げます。
大学職員・公務員試験におすすめの参考書は?
大学職員・公務員ともに筆記試験は、最低半年の勉強時間が必要と言われています。
オススメの参考書・通信講座は以下の記事で紹介しています。
関連記事:【2023年】国立大学法人職員試験の参考書おすすめランキング
関連記事:国立大学法人採用試験におすすめの通信講座ランキング
講座名 | アガルート | クレアール | スタディング | フォーサイト | たのまな |
---|---|---|---|---|---|
おすすめ度 | ◎ | ◎ | ○ | ○ | △ |
料金 | 教養型対策カリキュラム 129,800円~ | 教養ベーシックコース 175,000円 | 地方上級・市役所 教養合格コース 一括66,000円 | 公務員スピード合格講座(教養試験対策コース) 19,800円 | 公務員上級【安心合格】講座 一括244,400円 |
教材の特徴 | ・教養試験のみで受験できる国立大学法人、市役所に特化 ・分野別のテキストと講義動画 | ・国立大学法人、市役所に短期合格を目指す講座 ・一般知能、時事などに特化したカリキュラム | ・教養試験の数的推理・人物試験対策を重視 ※郵送の教材なし | ・紙のフルカラーテキストとデジタルテキスト | ・豊富な教材と講義動画 ・専門科目も含めた講座 |
サポート | ・学習の相談ができる学習サポーター制度 ・模擬面接、エントリーシート添削あり | ・担任制で質問も可能 ・学習計画から面接対策まで相談可能 | ・講師への相談サービス ・エントリーシート添削 | ・無料メール質問(5回)はあるが、サポートは少なめ | ・担任による面接・論文サポート |
キャンペーン | ・大学生限定受講料5%OFF ・内定特典でお祝い金の制度あり | ・期間限定割引あり ・無料のハンドブックもおすすめ | ・20%OFFのスタディング学割あり ・誰でも使える10%OFFクーポンも | ・割引クーポン配布あり | ・お家学習キャンペーンなどあり |
大学職員・公務員試験の筆記試験は必須?
国立大学法人・公務員ともに、近年では独自採用・社会人経験者採用を増やしています。
社会人採用では筆記試験を重視せずに、職務経歴やスキルが重視される選考方法です。
社会人採用での転職を狙うのであれば、『公務員転職ハンドブック』がおすすめです。
公務員の社会人採用の情報が自治体ごとにまとまっており、情報収集に役立ちます。
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関連記事:国立大学法人を目指す人必見!無料ハンドブックを利用しよう
大学職員と公務員の類似点は?
国立大学職員(事務職)と公務員(事務職)は、公的な事務職ということで似ている点が多いです。
- 福利厚生が充実している
- 安定した仕事
- 法律や規程に則って、事務処理を行う
- 営業力やクリエイティブは求められない
面接でのアピールポイントなどは同じような内容を話しても問題ないでしょう。
国立大学法人職員は公務員?
国立大学法人職員は、準公務員(みなし公務員)といわれますが、公務員ではありません。
平成16年の国立大学の独立行政法人化で、国家公務員ではなくなりました。
公務員ではないものの、給与は国家公務員の規則を遵守し、文部科学省共済組合に加入しています。
国立大学法人職員と私立大学職員はどっちがいい?
国立大学職員と私立大学職員は、待遇が大きく違います。
- 国立大学職員・・・みなし公務員・安定
- 私立大学職員・・・民間企業・高年収
有名私立大学職員は平均年収が800万円を超えることもある、高年収の職業です。
国立大学でスキルをつけて、私立大学に転職するのもありです。
年収を上げるために、国立大学から私立大学に転職したいと言っている職員は多くいます。
関連記事:国立大学から私立大学に転職した事例!大学職員が年収アップする方法
公務員と私立大学職員はどっちがいい?
事務職というジャンルで、公務員と私立大学職員を検討している人もいるでしょう。
- 公務員・・・人間関係・給与の安定性を重視したい人
- 私立大学職員・・・働きやすさなどに拘りがなく、給与を重視したい人
私立大学職員は、安定・高年収・ホワイトなどと言われますが、1つの学校法人です。
理事長が変わると大学の方針が大きく変わったり、一族経営で縁故採用が行われていたりというケースもあり、公務員ほどの透明性は期待できません。
実際に、一族経営に嫌気が差して年収の高い私立大学から国立大学職員に転職した人もいます。
関連記事:私立大学から国立大学に転職した事例!30代大学職員転職のリアル
また、給与水準が低めの私立大学もありますので、給与体系は確認したおいたほうがいいです。
以下の記事で、私立大学職員と公務員の比較を紹介しています。
まとめ:公務員のほうが大学職員より待遇はいい
大学職員と公務員の違いについて解説してきました。
国立大学職員と公務員は、仕事内容・待遇などの類似点が多く、転職先・併願先として選ばれることも多いです。
併願先として迷ったら、以下のように考えるといいでしょう。
- 特別なこだわりがなければ「公務員」
- 教育や研究、勤務地などにこだわりがあれば「国立大学職員」
- 年収を重視するなら「私立大学職員」
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