大学職員に必要な能力・スキルを紹介!向いてる人の特徴4選

大学職員の仕事は大学運営に関する事務全般で、仕事内容は「公務員」に似ています。
大学は教育・研究組織であり、公的な機関であるため、社会性・倫理性の高さが求められます。
営利企業であれば、利益をあげることが重視されますが、公的機関である大学では「公平な行動」「社会的に正しい選択」などが非常に重要です。
- 大学職員に求められる能力は「相手を尊重するコミュニケーション能力」「ミスなく堅実に仕事をする力」「奉仕の精神」
- 大学職員に向いてる人の特徴4選・向いてない人の特徴3選を紹介
本記事では、活躍している現役職員の具体例を用いながら、大学職員に必要な能力を紹介していきます。筆者は大学職員の採用活動にも関わったことがあるため、就職・転職を検討している人にも参考になるかと思います。
【大学職員に向いてる人の特徴】
- 社会の役に立ちたい人
- 教員・学生のサポートにやりがいを感じられる人
- 相手を尊重できるコミュニケーション能力が高い人
- ミスがなく堅実な人

大学職員に求められる能力

共通して大学職員に求められる能力は以下の3点だと考えています。
【大学職員に求められる能力】
- 相手を尊重するコミュニケーション能力(協調性)
- 裏方の仕事もミスなく堅実に行える継続力
- 「社会に貢献したい」「学生のために」などの奉仕の精神
継続力や奉仕の精神をエントリーシートに盛り込み、コミュニケーション能力を面接でアピールできれば、採用内定が近づくでしょう。
実際に筆者も「チームで仕事を行ってきた協調性」「裏方のチェック作業を慎重に行える点」をアピールして、大学職員に内定しています。具体的には以下のエピソードを用いました。
- 前職では、社内イベントの際、全体のスケジュール調整や懇親会の幹事を積極的に担当した。チームの雰囲気を良くすることを重視して、仕事をしている。
- 支払い書類のダブルチェックは前職で毎日行ってきたため、集中して間違いなく仕事ができる自信がある。
協調性があって、仕事の堅実性もあると、大学職員としての活躍を面接官がイメージしやすいです。
これを踏まえて採用面接などでは、以下の点をアピールするのがおすすめです。現職職員の方は以下の能力を培うことで出世しやすくなります。
- 1人での実行力よりも、チームワーク
(例えば、部活やプロジェクトを行った際の自身の役割) - 仕事のスピードよりも、正確性
(ミスができない状況での、仕事の取組姿勢) - 自身の成長よりも、他者への貢献
(他者のために頑張ることで、力が発揮できる)

大学職員に向いてる人の特徴4選

求められる能力に続いて、大学職員として活躍している「向いてる」人の特徴を紹介します。
大学職員に向いてる人は、社会の役に立ちたいと考えていて、人のサポートが得意な人です。具体的に4つの特徴をあげます。
- 社会の役に立ちたい人
- 教員・学生のサポートにやりがいを感じられる人
- 相手を尊重するコミュニケーション能力が高い人
- ミスがなく堅実な人
社会の役に立ちたい人
社会の役に立ちたい人は大学での仕事に向いています。大学は、学生を教育し、最先端の研究を行う公的機関だからです。
実際に、金融系の営業マンとして働いていた友人は、「人を幸せにしない手数料の高い金融商品の販売ではなく、社会に誇れる仕事がしたい」という考えで、大学職員に転職しています。
民間企業では「利益追求」となってしまいがちですが、大学であれば利益に囚われない「社会のための仕事」をすることができます。
金融機関から転職した大学職員
「自分に特別なスキルはないけれど、優秀な教員や学生が社会に貢献した研究・活動などをしていると誇りに思い、自分も頑張れる。利益追求では得られない喜び。利益に直結しないことにも時間を使えるのが嬉しい」
教員・学生のサポートにやりがいを感じられる人
人のサポートにやりがいを感じられる人も大学職員に向いています。
大学が提供する商品は「教員の授業」と「教員の研究力」で、大学にとってのお客さんは大学に通う学生であり、将来的に研究成果を間接的に受け取る国民です。商品を最大限にお客さんにアピールするのが大学職員の仕事です。
裏方での大学事務の仕事は以下のようなものです。
- 会議の資料作成
- 学生情報のデータ入力
- 支払い伝票の確認・会計処理
「つまらない」と感じる単調な仕事も「教員・学生のために」やりがいを感じて仕事ができる人は大学職員に向いています。
高校・大学で部活のマネージャーをしていた後輩大学職員
「学生時代からサポートすることが楽しく、いいチームを支えてきたことを誇りに思っている。教職員の書類作成の手間を少しでもなくそうと、業務マニュアルを日々更新している。少しでも教員や学生の負担が減るように、考えるのが楽しい」

相手を尊重するコミュニケーション能力が高い人
大学職員には、コミュニケーション能力も必要です。関係する人は多岐に渡ります。
- 学生(留学生含む)
- 教員(非常勤講師含む)
- 地域住民
- 受験生
- 民間企業の共同研究者
外国人留学生など日本語が話せない方もいるため、語学力は大学職員として働くのに強い武器になります。
語学力を武器に正社員登用されている職員が毎年いるほどです。コミュニケーション能力・語学力がある人は、留学生課・教務課などに配属されやすい傾向があります。
気持ちよくコミュニケーションが取れる存在は、学外からも学内からも評価されます。
自分を売り込むようなコミュニケーション能力よりも、「相手を尊重するコミュニケーション能力」が評価されやすいです。
周りを明るくする笑い方が特徴の同僚大学職員
「昔からよく笑っているねと言われていました。お硬い仕事には向いていないと思っていましたが、大学では笑い過ぎなくらいのほうが先生も学生も話しかけやすいみたいです。周りが話しかけやすいような明るい雰囲気を作ることは意識しています。」
ミスがなく堅実な人
仕事の進め方でいえば、「ミスがなく、堅実な人」が大学職員に向いています。
大学職員の業務には、ミスが許されない事務仕事も多いです。
- 学生の成績入力・卒業判定
- 入試の採点チェック・結果発表
- 入学金・授業料の取り扱い
ダブルチェックを行ったり、時には関連法令をチェックしたりという堅実な業務を行うことができる職員は重宝されます。
長年活躍する経理課のパートさんは、堅実な仕事ぶりが信頼されて、欠かせない存在になっています。
- 前職の民間企業で経理を長宴担当し、知識が豊富。
- 会計処理が増える繁忙期前に雑務を片付けるスケジュール管理。
- 自身でダブルチェックを行い、ミスがない。
このような仕事ができることをアピールできると、採用に近づきます。
経理課のパート職員
「前職からの経験で、伝票処理・ダブルチェックには慣れていました。上司からは、仕事が細かくてスピードもあるから、正社員登用に推薦すると言われたこともあります。疑問に感じたら、通知や関係法令をチェックするようにしています。」

大学職員に向いてない人の特徴3選
大学職員に向いていない人の特徴も紹介します。「我が強い」人には大学職員の仕事は向かない傾向にあります。
自分の考えで仕事がしたい人
自分で考えて仕事ができるのは、良いビジネスマンの特徴ですが、大学職員にはあまり向いていません。
大学では細かく「規程」が定められ、大学の方針は教授会などの「会議」で議決されます。どんなに優れた考えでも「規程違反」や議決されていない「提案」は認めることができません。
大学は「個の優れた提案」よりも、「議決された提案」を重視するため、自分の考えでスピード感をもって仕事がしたい人にとっては、大学職員の仕事は向きません。
協調性がなく、チームワークができない人
協調性がない人も、大学職員には向いていない特徴です。
大学事務の業務は、「教員・学生のサポート」という位置づけのものが多く、教員や学生の要求を理解して、業務を遂行する必要があるため、コミュニケーション能力は必須のスキルです。
特別なスキル(語学力・IT関係資格など)がある場合にも、協調性がない職員は周りから嫌われてしまいます。「主体性」より「協調性」が必要だと考えましょう。
出世して、たくさん稼ぎたい人
残業をバリバリこなして、早く出世して稼ぎたいという人も大学職員には向いていません。
大学は公的機関のため、コンプライアンスに関しては民間企業以上に厳しいです。
多少残業が多いだけでも、上司から注意され、業務分担を調整されることがあります。仕事量は「平等」であるべきという考えが強いからです。
給与体系に関しても、安定した昇給はありますが、営業職のようなインセンティブ支給はありません(少なくとも国立大学には)。バリバリ稼ぎたい人には、大学職員の仕事は向きません。
年収の高さでいうと、国立大学よりも私立大学のほうがおすすめです。

まとめ:必要な能力は「コミュ力」と「堅実性」
大学職員に向いている人の特徴は以下のとおりです。
- 社会の役に立ちたい人
- 教員・学生のサポートにやりがいを感じられる人
- コミュニケーション能力が高い人
- ミスがなく堅実な人
特に、「コミュニケーション能力が高い人」「ミスがなくコツコツと地道な作業を継続できる人」が求められています。
実際に、大学職員に採用された人へのインタビュー記事などもありますので、読んでもらえると「大学職員に求められる能力」などの理解を深められるかもしれません。
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