私立大学から国立大学に転職した事例!30代大学職員転職のリアル
30代で私立大学から国立大学職員に転職したヨシオさんにインタビューしました。
- 大学職員に転職したい
- 私立大学職員と国立大学職員の違いが知りたい
- 給料の高い私立大学を辞めた理由は?
こんな疑問がある方の参考になればと思います。
- 30代は大学職員への正社員転職にラストチャンスと考えたほうがいい
- 私立大学職員は給料はいいが、人間関係でストレスが溜まることも多い
- 社会人枠採用(独自採用試験)は、ライバルが強い
インタビューしたヨシオさんのプロフィールは以下のとおりです。
ヨシオさんプロフィール
- 35歳独身男性
- 新卒で東京の中堅私立大学に入社、35歳の時、独自採用試験で国立大学に転職
- 大学職員として一貫して、教務・入試等の業務を経験
ヨシオさんは前職が私立大学職員ですが、別業界から30代で転職した同期もいるので、30代の大学職員の転職について詳しく聞いています。
著者のプロフィールは以下の通り。
私立大学から国立大学に転職した理由
私立大学は年収が高いという話ですが、なぜ国立大学に転職したのでしょうか?
私が勤めていた私立大学は一族経営で、人間関係に不満がありました。国立大学に転職し、年収は約700万円→約500万円に下がりました。
人間関係に不満があり、ストレスに耐えられなかった
私は前職が中堅私立大学(日東駒専レベル)の職員でした。
入試や学生サポートの業務を担当していましたが、一族経営の人間関係に常にストレスを感じていたため、転職を考え始めました。
自分に面倒な仕事ばかり回されて、のんびり仕事をしている人たちが自分より高い給料をもらっている状況に不満がたまります。
大学内のご機嫌取りの仕事ばかり得意になって、万が一クビになった時になにもスキルがないことを不安に感じていました。
私立大学と国立大学の経験はキャリアにプラス
民間企業も何社か受けましたが、特別なスキルがない事務職のため、全滅でした。
「30代での転職は難しいのかな・・・」と考えていた時に、国立大学の社会人枠(独自採用試験)での求人をリクナビNEXTで発見しました。
30代でも応募可能で、大学事務の経験を活かせると考えて選考を受けることにしました。
国立大学のほうが年収は低いと聞いていましたが、私立大学と国立大学それぞれでの勤務経験は貴重なキャリアになると考えました。
35歳を過ぎて転職しにくくなっても、私立大学・国立大学の経歴があれば管理職等への転職の可能性も出てきそうです。もちろん、国立大学内での早めの昇進もねらっています。
結果として、私立大学職員としての勤務経験を基に自己PRなどを作成し面接を受けると、トントン拍子で内定をいただくことができました。
地元で勤務するために転職する人も
私立大学から国立大学に転職するケースとしては、「地元に帰る」「結婚を機に勤務地を変える」ために選択する人も多いです。
高年収なのは都内勤務や全国転勤の大規模大学が多いため、転勤の少ない地元の国立大学に転職するパターンもあります。
僕は勤務地のこだわりはありませんでしたが、地方では国立大学職員でも高年収の部類です。独自採用試験採用者の同期には、有名メーカーや地方公務員の出身者がいます。
私立大学職員と国立大学職員の違いは?
項目 | 私立大学職員 | 国立大学職員 |
---|---|---|
年収 | 高い | 普通 |
福利厚生 | 充実 | 充実 |
休日出勤・残業 | 多い | 少ない |
人間関係 | 一族経営のため、縁故採用多い | 学歴差別などはなく、平等な人事評価 |
採用 | 大学出身者を優遇していることが多い | 筆記試験があるため平等 |
ヨシオさんが感じる私立大学と国立大学の違いを教えてください。
一番違うのは年収ですね笑。私立のほうが給与はいいですが、職員の能力は国立大学のほうが高いと思います。
私立大学勤務時は、30代半ばで700万円を越える年収をもらっていました。残業や休日出勤も少しはありましたが、ブラックというような労働環境ではありませんでした。
国立大学は給与体系が公務員とほぼ一緒なので、30代で500万円~600万円という水準に下がりました。
私立大学は年収が高いものの、人間関係にストレスがありました。
- 理事長のワンマン経営
- 大学出身者や体育会出身者を優遇する閉鎖的な人間関係
- 縁故採用が多く、無能な職員が多い
ストレス耐性が強い人には向いてる職場かもしれませんが、僕には無理でした。。。
あくまで僕のいた私立大学の話で、もっと制度が整っている私立大学も多いと思います。
30代で国立大学職員に転職するポイント
30代で転職できたのは私立大学職員の経験があるからだと思いますか。
私の場合は私立大学職員の経験が活きましたが、同期は未経験からの採用です。「20代との差別化」「管理職になる意識」がポイントです。
20代未経験との差別化
やはり未経験だと長期的にキャリア形成が可能な、20代のほうが採用されやすいと思います。
しかし、大学職員に求められる能力が自分にあることを示せば30代にも可能性があります。
例えば、以下のようなアピールです。
- 私立大学職員として入試業務を10年やったので、細かな確認に自信がある
- メーカーで産学連携業務に携わったため、大学事務にも活かせる
- マーケティング職の経験が、今後の学生へのPRに役立つ
社会人経験を深掘りして20代未経験者にはない経験をアピールしましょう。
管理職になる前提で面接する
大学職員の多くは30代中盤から係長などの中間管理職に昇進していきます。同年齢の職員がすでに昇進しているケースもあるでしょう。
20代であれば、ゆっくりキャリア形成が可能ですが、30代は管理職になる前提で採用されると考えたほうがいいです。
面接では管理職になる前提で志望動機や自己PRを話せるといいでしょう。
- 数年後には、管理職になっている気持ちで知識をつける
- 貴学でマネジメントもできるように、人材育成の勉強をしている
このような話ができると、30代で採用する意味がある人材だとアピールできます。
僕は私立大学職員の時にOJTとして後輩指導をしていた経験も、職務経験として積極的に話しました。
国立大学職員に転職してよかったこと
国立大学職員に転職してよかったことを教えてください。
私立大学職員より安定していて、休日出勤が少ないのが嬉しいですね。
休日出勤が少なく、仕事が忙しくない
私立大学は、理事長のワンマン経営があったり、受験者数の増減に一喜一憂するなど、仕事をしている中で波を感じることが多かったと感じています。
国立大学は、民主主義のシステムがしっかりしているので、ワンマン体制にはならず、仕事の忙しさも安定していますね。また、私立大学では月に2回の土曜日出勤がありました。
国立大学でも入試やオープンキャンパスでの休日出勤はありますが、基本的には土日連続で休めるので、旅行にも行きやすいですね。
休日出勤の多さや振替休日の取りやすさは部署によっても異なると思います。
優秀な職員が多い
僕のいた私立大学は、縁故採用が多かったので、全く仕事をしない人も許されていました。国立大学でも休職を繰り返すような人はいますが、全体的にみると優秀な人が多いと思います。
やはり、難関大学の出身者が多く、筆記試験の足切りがあると職員のレベルに違いが出ると感じます。
しっかり規程やルールに則って仕事ができるのがいいですね。
国立大学職員に転職して後悔していること
逆に国立大学職員に転職して後悔していることはありますか?
基本的には満足していますが、やりがいは少ないかなと思いますね。あと、年収は下がりましたね。
やりがいを感じる場面は少ない
国立大学職員は良くも悪くもマニュアル仕事が多いです。毎月・毎年決まったことを繰り返し、ミスがないように業務を行っていくイメージです。
前の私立大学では、理事長の強引な方針もあって、受験者を増やすための営業をいろいろやらされました。
今思えば、私立大学のほうが提案をしたり、出張したりすることは多かったです。人間関係が最悪で、楽しくありませんしたが。。。
国立大学では仕事がマニュアル化されていてキッチリしているのはいいところですが、やりがいはあまり感じません。
年収が下がる
ストレスからの開放を求めて転職したため、年収ダウンには納得していますが、いざ額面をみると残念な気持ちにはなります。
私は独身なので自分が満足できる給料があれば十分でした。
家庭がある場合には、年収や昇給・福利厚生が重要になるので、しっかり調べておく必要があると思います。
大学職員への転職のための情報収集
国立大学職員への転職はどのように情報収集しましたか?
転職サイト・転職エージェントに一通り登録して、志望度の高い2つの大学は公式サイトをブックマークしていました。
大学職員への転職のために登録していたサイトは以下の通りです。
登録していたのはよく聞く有名サイトだけです。
実際に選考に繋がったのはリクナビNEXT、dodaの2社で、実際に転職できたのはリクナビNEXTの求人です。
たくさん登録するとメールが来てうざいですが、そのサイト限定の求人もあるため、登録は必須だと思います。
あと志望度が高い大学は私立・国立問わず、公式サイト・公式サイトの求人情報もチェックしておくといいです。採用にはつながらなくてもES作成のヒントになることがあります。
ヨシオさん、ありがとうございました!
まとめ:私立から国立大学職員への転職者もいる
私立大学職員から国立大学職員に転職した事例を紹介しました。国立大学への転職のポイントは以下のとおりです。
- 20代未経験者との差別化
- 管理職になる前提での面接
- 社会人採用の情報収集
まずは、大学の公式ページの確認や転職サイトへの登録から始めてみてはいかがでしょうか。特に近年では、多くの国立大学で統一の筆記試験を要しない「独自採用試験」を採り入れています。
独自採用試験では30代未経験の方も含めてチャンスがあります。
また、30代で国立大学職員への転職を目指している方は、公務員も併願するのがオススメです。
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