給料・待遇

国立大学法人職員の部署異動は2〜3年ごと!転勤は少ない

大学職員の転勤事情
kobataka1

大学職員は引越しを伴う、転勤が少ない職業です。

大学職員はキャンパスか附属の機関で勤務を行っているため、世界・全国に支社を持つ大手企業に比べると転勤が少ないです。

本記事の結論
  • 大学職員は勤務地が固まっており、引越しを伴う転勤は少ない
  • 部署異動は2~3年に1回。公務員や大企業程度の水準
  • 懲罰で転勤となることもある

基本的には、限られたキャンパス内の異動だけで引越しを伴う転勤はほとんどありません。

本記事では、現役職員が「大学職員の転勤・異動事情」を紹介します。

【用語の定義】

  • 異動・・・勤務先の部署や役職が変わること。
  • 転勤・・・勤務地が変わること。引越しを伴う異動を指すことが多い。
  • 出向・・・関連会社・関連機関で一定期間勤務すること。勤めている大学に籍は残したまま。
ダイマナ
ダイマナ
現役アラサー国立大学職員
Profile
  • 平成元年生まれの30代、千葉県出身
  • 現役大学職員(大学職員歴:6年)
  • 大学では、教務・研究支援の業務を担当
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    大学職員の部署異動は2〜3年に1回

    大学職員の楽な部署

    「ジョブローテーション」の考え方に基づき、2〜3年ごとに別の業務を経験させて、職員のスキルアップを図っています。

    また、大学は公的機関なので、「癒着を避ける」意図での部署異動も行われています。

    ※公務員や銀行員は2〜3年に1回部署異動があります。

    長期間、同じ部署にいると人間関係が固定化され、癒着・不正が起こる原因になるためです。

    長期間付き合いがある業者に優先的な取引が行われた例は、枚挙にいとまがありません。

    通常は2〜3年、長くても同じ部署にいるのは4年ほどになるでしょう。

    職種は大きく「総務・会計系」「学務・教務系」「財務・会計系」に分かれます。

    若手の頃は、様々な職種を経験させ、2,3の部署を経験した後はある分野に特化してジョブローテーションを行っていく傾向があります。

    【部署異動の例:「学務・教務系」】

    留学生課(3年)→経理課(2年)→学部の教務事務室(3年)→学生生活課(3年)

    1年以内での異動や5年を超えて異動がない職員は「訳あり」と考えられています。

    • 業務内容に適応できず1年で異動
    • 課内での恋愛が発覚し、半年で他機関へ転勤
    • 10年近く窓際部署で定年退職まで同じ部署

    全ての大学で同じような扱いがあるかはわかりませんが、多くの職員が3年程度で異動している中、極端なケースはなにか問題があると考えたほうがいいでしょう。

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    大学職員は引越しを伴う転勤は少ない

    東京大学

    大学職員は基本的に、大学のキャンパス内で勤務しています。キャンパス内には、全体の業務を統括する事務局(人事部・財務部など)と学部事務室(文学部・工学部など)があります。

    大学職員の8割以上が、その大学のキャンパス内で勤務しており、複数のキャンパスがある大学もあります。

    残りの2割以下の職員は、関連機関に出向して勤務しています。

    異動がある主な組織は以下のとおりです。

    • 大学附属病院
    • 大学附属図書館
    • 大学附属小学校・中学校・高校
    • 文部科学省(出向)
    • 地域の関連施設(出向)

    これだけ勤務する可能性のある場所がありますが、多くは引越しを伴わない転勤となります。

    大学の関連機関は附属施設を中心に、同地域にあることが多いからです。

    実際に、40年働いて定年を迎えた職員でも2-3箇所の勤務地だけだったという人がほとんどで、1つのキャンパスで10年以上勤めることも少なくありません。

    自宅を購入した方や小さなお子さんがいる方にとっては、転勤が少ないのは嬉しいポイントです。

    国立大学と私立大学の転勤・異動の違い

    大学職員 私立・国立・公立

    国立大学と私立大学では、国立大学のほうが「異動のスパンが短い」、私立大学のほうが「異動の範囲が広い」という特徴があります。

    国立大学法人職員は異動スパンが短く、異動範囲は狭い

    国立大学は、元国家公務員の名残もあり2〜3年ごとに異動を行っています。

    異動の範囲は狭い傾向があります。

    例えば、東京大学の場合、勤務先は以下の施設が考えられます。

    • 赤門のある本郷キャンパス(東京都文京区)
    • 井の頭線沿いの駒場キャンパス(東京都目黒区)
    • 東京大学医学部附属病院(東京都文京区)
    • 千葉県柏の葉キャンパス(千葉県柏市)
    • 文部科学省への出向(東京都千代田区)
    • 日本学術振興会(東京都千代田区)
    • 東京国立博物館(東京都台東区)

    東京大学の友人に聞いた異動先の一例ですが、全て1時間程度の範囲内で通勤できる場所になります。

    千葉県にもキャンパスがありますが、東京大学のメインキャンパスから電車で1時間足らずで移動できるため、転勤になっても引越しは必要なさそうです。

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    私立大学は異動スパンが長く、異動範囲は広い傾向

    私立大学では、異動範囲も異動スパンも大学ごとに異なります。

    国立大学ほど厳格に異動について管理されていないため、1つの部署に長くいる職員もいますし、私立大学の所在の範囲で異動が行われる可能性があります。

    例えば、大規模な私立大学の日本大学では以下の異動先が考えられます。

    • 法学部など(東京都千代田区)
    • 文理学部など(東京都世田谷区)
    • 国際関係学部(静岡県三島市)
    • 芸術学部(東京都練馬区、埼玉県所沢市)
    • 薬学部(千葉県習志野市)
    • 全国にある附属高校・中学校等

    ※実際の異動先は、雇用条件などに示されているので自身で確認してください。

    大学の方針によっては全国転勤となりますし、海外展開する大学の場合は海外を含めて勤務地が拡がりますので、注意が必要です。

    大学職員にも「懲罰人事」はある

    懲罰で転勤

    転勤は「懲罰人事(ちょうばつじんじ)」として行われることがあります。

    成績が悪い、気に食わない部下を「とばす」ために、転勤させる人事異動です。

    民間企業ではよく聞く話で「成績が良くない社員を地方へ転勤させ、出世ルートから外す」というようなことです。

    大学職員は民間企業に比べると、このような異動は少ないように思います。それでも、懲罰としての「転勤」がないとは言えません。

    懲罰絡みの転勤例
    • 部長に反論したから、遠くのキャンパスに異動になった。
    • あいつは仕事が遅く、残業が多いから出向させよう。
    • 不適切な恋愛関係があったから、本部には戻せない。

    大学職員にも「懲罰人事」はあるので、真面目に仕事をしたほうがいいです。

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    まとめ:大学職員は異動が多く、転勤は少ない

    大学職員は「部署異動は多いが、引越しを伴う転勤は少ない」ということを解説してきました。

    勤務エリアが決まっている転職先を探している人には、オススメの仕事になります。

    全国転勤がある大企業ほどではないですが、平均年収もやや高めの水準です。

    安定していて、福利厚生が整っている大学が多いですよ。

    勤務地が多い私立大学もありますので、転職サイトの求人情報はよく確認するようにしましょう。

    正社員の採用倍率は高いので、契約社員から正社員登用を狙う手もあります!

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