国立大学法人で受かりやすい穴場はどこ?難易度ランキングも解説
- 国立大学法人が受かりやすいって本当?
- 国立大学法人の難易度ランキングが知りたい
- 国立大学法人と私立大学の職員の違いは?
このような疑問を持つ方に、本記事を書きました。国立大学法人への採用を目指す上での結論は以下の通りです。
- 国立大学法人は受験者数が少ないため穴場
- 国立大学法人は、採用数が多い大学が狙い目。関東国立大学の難易度ランキング形式を紹介
- 年収は有名私立大学のほうが高いが、国立大学も平均年収以上
- 統一採用試験だけでなく、独自採用試験にもエントリーするのがポイント
- 国立大学法人が受かりやすいと言われてる理由
- 受かりやすい国立大学の難易度ランキング
- 国立大学と私立大学の違い
という順番で、現役国立大学職員の筆者が紹介していきます。目次をタップすると読みたい箇所までジャンプできます。

国立大学法人が受かりやすい穴場と言われる理由
「国立大学法人が受かりやすい」と言われる理由は以下の4点からです。
- 公務員試験に比べて筆記試験が受かりやすい
- 国立大学法人は第一志望の人が少ない
- 私立大学職員に比べて採用倍率が低い
- 独自採用試験の認知度が低い
理由①:筆記試験の難易度が低い
国立大学法人の正規職員採用試験は、地域ごとに共通の一次筆記試験が行われます。
国立大学法人等職員採用試験の第一次試験令和7年度結果では、事務の受験者数2,608名で、合格者が1,589名です。
共通の筆記試験の採用倍率は1.64倍です。
筆記試験で受験者の6割が合格しているため、採用倍率は低い部類に入ります。
公務員試験と同じような教養試験ですが、合格ボーダーはすべて選択式で6~7割程度です。公務員試験に比べると筆記試験の突破が容易と言えるでしょう。
実際に高学歴の人では、ほとんど勉強せずに筆記試験を突破している人もいます。
理由②:国立大学法人は第一志望の人が少ない
国立大学法人試験を受ける人は公務員と併願で受ける人が大半で、公務員試験の筆記試験対策を行い、練習として国立大学法人の試験も受ける人が多いです。
国立大学法人の志願者はいるものの、第一志望を国家公務員・地方公務員にしている人が多いのが実情です。
国立大学法人に絞って受験する人は少ないため、穴場の試験といえます。
志望動機や自己PRを受験大学に絞って、時間をかけて作成すれば、面接の突破も難しくありません。
関連記事:大学職員と公務員どっち?市役所・私立・国立の比較と転職・併願の事例
理由③:私立大学に比べて採用倍率が低い
大学職員は人気の職業と言われており、有名私立大学では採用倍率が100倍を超えることもあります(2025年時点では少子化の影響もあり、人気が低下傾向)。
一方で、国立大学は半年近くの勉強が必要な筆記試験が課されるため、気軽に誰でも受けられる試験ではありません。筆記突破後の倍率は高くても、10-20倍程度です。
筆記試験を突破するのに勉強は必要ですが、筆記を通過してしまえば、面接で内定まで進むのは難しいことではないと言えます。
関連記事:大学職員の倍率・難易度は高い?私立・国立の違いと難易度ランキング
理由④:独自採用試験の認知度が低い
近年、国立大学法人では独自採用試験での採用数を拡大しています。
- 統一採用試験・・・地域の国立大学で共通の筆記試験(教養試験)を行う
- 独自採用試験・・・共通の筆記試験がなく、各国立大学法人にエントリーできる
東京大学では令和7年度の事務系採用予定数を75名としており、そのうちの60名が独自採用試験での採用としています。
数年前までは、統一採用試験が中心でしたので、独自採用試験の存在を知らない受験生もいます。
採用数の多い「独自採用試験」は筆記試験が苦手な人にもチャンスがありますが、認知度は低いので穴場といえます。
※独自採用試験・統一採用試験の一方しか採り入れていない大学もあります。
関連記事:国立大学法人の独自採用試験とは?倍率や採用のコツを現役職員が解説
国立大学職員難易度ランキング

受かりやすい国立大学法人ランキングは以下のとおりです
- 東京大学
- 東京科学大学
- 筑波大学
※採用数・知名度から当サイトで独自にランキング
※地方の国立大学は採用数が数名のことが多いため、関東のみで作成
上記3大学が受かりやすいと本サイトでは結論づけました。採用数が多く、知名度が低い大学のほうが就職の難易度は低いと考えています。
首都圏国立大学の令和7年度の事務職の採用予定数と「〇〇大学 採用」でのGoogle検索結果数をまとめたのが、下記のリストになります。
※Googleの検索結果数は2023年から表示が廃止されたため、2023年時点の情報になります。
- 東京大学 75名(独自採用試験60名 統一採用試験15名) 120,000,000件
- 一橋大学 5名(独自採用試験) 5,660,000 件
- 東京科学大学 30名(独自採用試験20名 統一採用試験10名)
検索数(2023) 東京工業14,800,000 件 東京医科歯科2,500,000 件 - 東京学芸大学 5名(統一採用試験) 5,120,000 件
- 東京農工大学 10名(独自採用試験2名 統一採用試験6名) 381,000件
- お茶の水女子大学 5名(統一採用試験) 1,130,000 件
- 電気通信大学 0名 11,800,000 件
- 筑波大学 30名(独自採用試験20名 統一採用試験10名) 8,220,000件
- 横浜国立大学 5名(統一採用試験) 7,310,000 件
- 埼玉大学 10名(独自採用試験5名 統一採用試験5名)28,500,000 件
- 千葉大学 10名(独自採用試験若干名 統一採用試験10名)33,100,000 件
こちらのリストで分かる通り、事務職員の採用人数は多くの大学で数名~30名程度です。採用予定人数が多いほうが「受かりやすい」というのが単純な理由です(具体的な基準は次章で紹介します)。
東京大学などは受験者数も増えますが、多くは公務員との併願なので、内定の出る数が多く難易度は高くありません。
受かりやすい国立大学法人の基準

受かりやすい国立大学法人ランキングは、以下の2点の基準で作成しました。
- 採用数が多い
- 知名度が低い
受かりやすいポイント①:採用数が多い
国立大学法人で毎年決まって10人以上の正規職員を採用している大学は多くありません。
採用人数が5名以下であれば、強いライバル(同大学出身者・難関資格を取得している等)がいた時に内定を勝ち取るのは至難の業です。
採用数が多ければ、「新卒者・既卒者・明るい人・落ち着いた人」等、多様性を意識した採用が行われやすいです。
どこにでも採用されるような学歴や資格がない場合には、採用数が多い大学を狙うのがいいでしょう。
受かりやすいポイント②:知名度が低い
採用数に続いて、重要なのが知名度です。知名度が低い大学は受験者数が少ないからです。
今回は、Google検索での「〇〇大学 採用」でのヒットページ数を知名度の参考にしました。
知名度で考えると東京農工大学などは穴場と言えます。
東京大学や東京科学大学(東京医科歯科大学と東京工業大学が統合)に比べると受験者は少なくなるでしょう(ちなみに、東京農業大学(世田谷区)は私立大学で、東京農工大学(府中市)は国立大学で混同している人も多いです)。
具体的な受験者数などが知りたい場合は、国立大学法人等職員採用試験攻略ブックが便利です。
関連記事:国立大学法人等職員採用試験攻略ブックの内容を紹介!
国立大学法人は私立大学に比べて受かりやすい?

国立大学法人は私立大学に比べて受かりやすいといえます。
- 30代で年収1000万円を超えることもある高年収
- 採用数が少なく、採用倍率が高い
- 仕事内容は大学事務が中心で、国立と大きく変わらない
年収や待遇を考えると私立大学のほうが人気ですが、国立大学法人職員も準公務員として安定した職業です。
教員や学生を支える事務仕事という点は一緒なので、私立大学を第一志望に、受かりやすい国立大学を併願するのもいいでしょう。
「国立大学法人は筆記試験があるから無理かな・・・」という方もいますが、チャンスは十分にあります。
- 国立大学職員等統一採用試験の受験者数が減少傾向
- 筆記試験は教養試験のみで専門的な知識は不要
- 大学入試の知識でも十分対応可能
筆記の統一試験は難しいという方も、各国立大学法人で独自採用試験(筆記試験がない場合が多い)の選考があるかは確認するようにしましょう。
正社員でなかなか採用されないという方は、契約社員から正社員登用を目指すのもおすすめです。

国立大学・私立大学・公立大学の違いは以下の記事でも紹介しています。

国立大学法人職員になる方法(年齢別)
国立大学職員と関連職に関して、年齢ごとに就職できる方法を表にまとめました。
就職するのに、年齢は大きく関係します。
| 20代 | 30代以上 | |
| 国立大学統一採用試験 | ◯ | ✕ |
| 国立大学独自採用試験 | △ | ◯ |
| 私立大学新卒採用 | ◯ | ✕ |
| 私立大学転職者採用 | ◯ | △ |
| 公務員採用試験 | ◯ | △ |
| 公務員社会人採用 | △ | ◯ |
また、国立大学職員になるには以下の2種類の試験(方法)があります。
| 国立大学職員 になる方法 | 統一採用試験 (33歳以下の人におすすめ) | 独自採用試験 (34歳以上の人におすすめ) |
|---|---|---|
| 受験対象者 | 35歳まで(令和8年試験から) | 一定期間の社会人経験など、大学による。 |
| 試験日 | 筆記:6月~7月 面接:8月 | 6月~9月頃が多い |
| 筆記試験 | 教養試験(知能分野重視) | 適性試験程度、課さない大学もある |
| 書類選考 | 原則なし | 書類で半分以下に絞られる |
| 倍率 | 10~20倍程度 | 30倍以上の高倍率 |
| 求める人材 | 新卒・第二新卒がメイン 35歳までの若手を採用 | 大学運営に活かせる社会人経験 専門資格・スキルが必須なことも |
| 難易度 | 低め(誰にでもチャンスあり) | 高い(資格・経歴が必要) |
| 対策 | 3ヶ月以上かけて筆記試験対策を! 若いほど有利なので早めに受けたい | 募集が大学ごとのため、情報収集必須 公務員や常勤登用を狙うのも選択肢に |
| 関連記事 | ・法人試験におすすめの参考書 ・法人試験におすすめの通信講座 | ・公務員転職ハンドブック等で情報収集を! ・契約社員から正社員登用の事例紹介 |
※統一採用試験について、令和8年度に行う試験から以下の変更があり、受験しやすくなります!(令和8年度国立大学法人等職員統一採用試験)
- 受験可能年齢を全試験区分で30歳から35歳に引き上げ
- 知能分野の出題数が多く、知識分野の出題が少なくなり、勉強期間の短縮が可能に
33歳以下は統一採用試験の勉強を、34歳以上は独自採用試験の情報収集を進めるのがおすすめです。
無料でもらえる

まとめ:国立大学法人の採用情報はこまめにチェック
国立大学法人が受かりやすい理由、国立大学法人難易度ランキングを解説してきました。
国立大学法人等採用試験は、試験範囲が教養科目だけなので対策が比較的簡単です。働きたい地域にこだわりがなければ、採用予定者数の多い大学を受けていくといいでしょう。
また近年では、教養科目試験を課さない「独自採用試験」を取り入れる大学も増えてきました。
独自採用情報を見逃さないよう、転職サイトには必ず登録しておきましょう(志望する大学が1.2大学だけの場合は、逐一ホームページをチェックするのでもOK)。
転職サイトは、次の4社に登録しておけば問題ありません。
以下の記事で紹介していますので、参考にしてみてください。


