大学の事務補佐員の仕事内容は難しい?雇用形態や採用のポイントを解説

大学で求人を探していると「事務補佐員」の求人が出ていることがあります。
- 大学の仕事だから難しそう
- 業務内容が想像できない
そんな方に向けて、大学の事務補佐員の仕事内容や採用のポイントなどについて解説していきます。
- 事務補佐員の仕事内容は簡単なので、心配無用
- 事務補佐員として活躍するのは30~50代の女性が8割
- 事務室付・研究室付や技術補佐員との違いについても解説
現役大学職員が採用のために抑えてくべきポイントなども紹介していくので、参考にしてもらえればと思います。

大学の事務補佐員とは?
大学の事務補佐員は、以下のような勤務形態で働く職員のことをいいます。
- 契約期間は数ヶ月~5年程度の非正規職員(契約社員ともいう)
- 業務内容は、大学教職員の補助的業務
- 勤務体系は、週1日~フルタイム(週5日40時間)程度までさまざま
- 給与は、時給または日給支払いが原則
- 勤務時間数によっては雇用保険・社会保険への加入も可能
大学で働く職員の3割以上が事務職員という大学もあり、大学を支える非正規雇用の職員と言ってもいいでしょう。
また、事務補佐員というとパートタイマーのイメージもあるかもしれませんが、パート(短時間勤務)とフルタイム(常勤と同勤務時間)の事務補佐員がいます。
大学の事務補佐員の仕事内容

大学の事務補佐員はその名の通り、教職員の事務仕事を補佐するお仕事です。
事務補佐員としての採用でも分類が大きく2箇所に分かれます。
事務室の事務補佐員
大学の事務室で勤務する事務補佐員です。
筆者のような大学職員の業務の一部を担当したり、補佐したりする仕事です。
- 学部の窓口で、履修相談・証明書発行・忘れ物の預かりなどの業務
- 経理課で、支払伝票の処理、授業料納入の手続き
- 人事課で、採用者のデータ取りまとめ、職員研修の補助
大学職員と同様、行う仕事は総務系・会計系・学務系のいずれかが8割を占めます。
正社員の仕事の一部を受け持ったり、学生対応・電話対応を行うことが多いです。

研究室の事務補佐員
事務室ではなく、教授や准教授が仕事をする研究室で仕事を行うのが、研究室の事務補佐員です。
すべての研究室に事務補佐員があるわけではありませんが、医学系や工学系では秘書代わりに事務補佐員を採用していることが多いです。
- 教員や研究室所属学生のスケジュール管理
- 書類の代理作成やデータ取りまとめ、翻訳など
- その他、先生の秘書的役割
大学教員は学生の教育と研究が主な仕事もありますが、その他にも雑務が多くあります。
多忙を極める仕事のため、書類の作成やデータ入力などを事務補佐員に担当してもらっています。
先生から言われたことをやる秘書的役割というケースと、翻訳やデータ処理などを専門に担当する事務補佐員もいます。
事務補佐員に求められる能力

事務補佐員の仕事は教職員のサポートなので、難しい仕事はほとんどありません。大学職員と同じく下記4つが求められる能力です。
- 社会の役に立ちたい
- サポートが好き
- コミュニケーション能力が高い
- ミスがなく堅実
これらに合った志望動機や自己PRを作り上げれば、第一関門突破と言えるでしょう。
事務補佐員の採用で抑えてくべきポイント

必要な能力とは別に、事務補佐員の採用で抑えてくべきポイントがあります。
PC業務が苦手だとマイナス評価
事務補佐員は、PCでの作業が中心の仕事です。
「PC業務に自信がない」ということでは採用に大きなマイナス評価になるため、PCが苦手ということはなるべく言わないようにしましょう。
- メール
- Word・Excel・PowerPoint
- タッチタイピング(ある程度の速さでタイピングができる)
これらは問題なく使えるレベルになっておく必要があります。
学務系なら語学力、会計系なら簿記資格があると有利
事務補佐員の仕事は勤務場所・業務内容が様々で必要とされる専門的なスキルも場所によって異なります。
- 学務系や留学生がいる業務・・・語学力
- 経理・会計系の業務・・・簿記資格、伝票処理等の経験
- 研究室の事務補佐員・・・教員次第だが、秘書としての能力
勤務場所で求められる能力があると採用がぐっと近づきます。
内々で採用者が決まっていることがある
業務内容に適した資格を持っているのに、落とされてしまうこともあるかもしれません。
実は、内々で採用者が99%決まっているのに面接を行うこともあります。
以前に大学で勤務していた事務補佐員や関連機関で勤務していた非正規職員が公募の開始後に、推薦されることがあります。
公募を行った以上、選考は行われますが、結果としては推薦された方が採用になるというケースです。
こういったケースもありますので、不採用になってもあまり気にしないようにしましょう。
能力よりも居住地や勤務時間が優先されることもある
能力が十分でも、居住地や勤務時間で採用者を決めることもあります。
短時間勤務とはいえ、勤務時間に融通がきく人のほうが採用されやすいのは間違いないです。
曜日固定の業務もありますが、繁忙期にはシフト変更を希望されることもあります。
業務内容によってはテレワークが可能な場合もあるので、面接などの時に聞いてみるといいでしょう。

大学の事務補佐員として活躍してるのはどんな人?

大学の事務補佐員として活躍する8割以上は、30~50代の女性です。
一部に、20代や60代以上の職員、男性の職員もいます。
育児が落ち着いてきたので、短時間勤務の仕事に就くという方が多いです。
以前の業務知識・スキルを活かして働いている人もいますが、PC業務のスキルとコミュニケーション能力があれば、業務内容関係なく活躍できると思います。
あくまで、教員や正規職員の補佐なので難しく考えなくて、大丈夫です。
事務補佐員に関するよくある質問
大学の事務補佐員に関するよくある質問をまとめました。
1年間の短期契約で不安
事務補佐員は期間の決まった非正規雇用のため、契約期間が1年未満で設定されることが多いです。
更新の予定がある場合は、以下のように記載されます。
更新する場合があり得る。更新する場合は、1年ごとに行う。
更新は、予算の状況、従事している業務の進捗状況、契約期間満了時の業務量、勤務
成績、勤務態度、健康状況等を考慮のうえ判断する。
勤務成績に問題がなければ、更新される可能性が高いので、数年間は継続して勤務ができます。
一方で、5年以上長期で働ける人は多くありません。
無期転換の権利が発生することと、事務補佐員雇用のための研究費予算が数年単位で切れることが多いためです。
勤務状況に問題がなければ、問題がないと考えていいでしょう。
一方で、5年以上の長期間の勤務をすることは難しいです。
無期転換ルールがあるのと、事務補佐員雇用の研究費予算が数年単位となっていることが多いためです。
無期転換ルールとは?
無期転換ルールは、同一の使用者(企業)との間で、[有期労働契約が5年を超えて更新された場合]、[有期契約労働者(契約社員、アルバイトなど)からの申込み]により、[期間の定めのない労働契約(無期労働契約)に転換]されるルールのことです。
事務補佐員と技術補佐員の違いは?
国立大学では、事務補佐員・技術補佐員・技能補佐員と違う名称で募集されることがあります。
- 事務補佐員・・・教職員の事務の補佐を行う
- 技術補佐員・・・教職員の技術的な業務の補佐を行う
- 技能補佐員・・・簡易的な技能業務を行う
技術補佐員の業務は、動物実験の管理や実験データの収集・管理など、事務処理ではない業務を伴う仕事です。
実験機器を使える、分析ソフトを使えるなど技術補佐員の雇用にはスキルが求められることもあります。
事務補佐員は、一般的なPCソフト利用が中心です。
また、技能補佐員という職種は単純な業務(清掃スタッフや誘導スタッフなど)を行います。
事務補佐員と技術補佐員は同程度の給与で、技能補佐員は少し低い時給が設定されています。
事務補佐員の正社員登用はある?
事務補佐員の正社員登用を行っている大学は多いです。
実務経験があり、コミュニケーション能力の高い職員を積極的に正社員登用しています。
以下の記事では「契約社員」と表現していますが、事務補佐員は契約社員の一種だと思ってください。

正社員登用を目指す場合の注意点は2つです。
- パートタイムよりフルタイムの事務補佐員のほうが有利
- 研究室勤務より事務室勤務のほうが有利
正社員登用の面接官は大学職員の管理職なので、事務室で長時間勤務している方が活躍をアピールしやすいという単純な理由です。
まとめ:事務補佐員は難しくないのでご安心を!
大学の事務補佐員の仕事について紹介してきました。
事務補佐員は募集が頻繁に行われており、仕事内容も難しくないためおすすめの仕事です。
働きたい大学が決まっている場合、大学のホームページを確認するのもいいですが、転職サイトでの情報収集が便利です。
これらのサイトでは正社員と契約社員(事務補佐員)の求人もありますので、登録しておくといいでしょう。

