給料・待遇

国立大学職員はホワイト?離職率・年間休日・残業時間を紹介

大学職員はホワイトと言われる理由
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大学職員はホワイトな職場環境と言われます。

実際に、筆者は民間企業から国立大学職員に転職しましたが、年間休日が多く、残業が少ない「ホワイトな職場」だと感じています。

本記事の結論
  • 大学職員がホワイトと言われる理由は、「離職率が低い」「パワハラが少ない」「ノルマがほとんどない」「長時間労働になりづらい」「年間休日数が多い」「安定昇給、高年収」
  • 国立大学職員は安定性、私立大学職員は給与の高さが魅力的なホワイト職場

本記事では、大学職員が「ホワイトな職場」だと感じた具体的な内容を紹介していきます。

ダイマナ
ダイマナ
現役アラサー国立大学職員
Profile
  • 平成元年生まれの30代、千葉県出身
  • 現役大学職員(大学職員歴:6年)
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    国立大学職員がホワイトと言われる理由

    大学職員はホワイトと言われる理由

    ホワイトな国立大学で働いて感じるメリットは以下の3点です。民間企業での勤務と比較して感じることを紹介していきます。

    大学職員のメリット
    • 緊急対応が少なく、仕事が楽
    • 異動が少なく、安定している
    • やばい上司が少ない

    緊急対応が少なく、仕事が楽

    大学職員は、「仕事が楽」な部類の仕事だといえます。

    緊急対応で残業を強いられることはほとんどなく、年次有給休暇を取得している時に電話が来たことも一度もありません。

    民間企業での仕事

    売上が伸びたときには、お客さんを待たせないように残業をしないといけません。

    また、平日に年休をとっていると、3日に1回位は電話がかかってきて、担当のお客さんに自宅から折返しの電話をしていました。

    もちろん、入試・オープンキャンパス等で休日出勤や残業をする時もありますが、基本的には個人の裁量で業務をコントロールできるので、楽だと感じます

    民間企業では仕事に忙殺されて、死んだ目をした人を多く見てきましたが、大学職員の大変さは常識的な範囲のものだと感じます。

    異動が少なく、職場の安定性が高い

    大学職員は、異動が少なく、給料も平均以上で安定している仕事です。

    配属先が限られており、業務内容もほとんど変わらないので、ワークライフランスを重視したい人にもオススメできます。

    給与面に関しても、国立・公立・私立ともに安定した給与・昇給が期待できます。

    民間企業での仕事

    3年に1回は部署異動があり、県を跨いだ転勤も頻繁に行われていました。

    出世するためには、平均以上の営業成績が必要で、成績が悪いと給与が30代に頭打ちになってしまいます。

    営業成績をあまり気にせず、安定した環境で働きたい方にはオススメできる仕事です。

    人間関係に不満を感じることが少ない

    大学職員に「パワハラ」をする人はほとんどいません。嫌な上司が少なく、ハラスメントがほとんどないのは、次の理由からです。

    • 目標売上等がないため、詰められることがない
    • チームで仕事をすることがほとんどない
    • ハラスメント相談窓口が整備されている
    民間企業での仕事

    「上司の言うことは絶対」という雰囲気でした。

    仕事で恫喝されることはしばしばあり、休日のバーベキューも断ることができず、こき使われる始末。嫌な上司にあたると、仕事が好きでも長く勤めるのは難しいと感じてしまいました。

    30人程度の支店でも、毎年3人は退職していました。

    職場の人間関係に問題を感じて退職する人も多いですが、大学職員は離職率が非常に低いです。筆者は7年以上大学で勤めていますが、20人以上いる同期は1人も辞めていません。

    大学職員にブラック企業の特徴はない

    東京大学 施設

    ホワイト企業は、ブラック企業の対義語として使われ、福利厚生が整った、働きやすい企業」のことをいいます。

    大学は企業ではないので、「ホワイト企業」ではなく、「ホワイト職場」と表現します。

    ブラック企業の特徴として挙げられるのが以下5つです。

    【ブラック企業の特徴】

    • 離職率が高い
    • パワハラで精神的に追い込む
    • 常識を超えたノルマを課す
    • 長時間労働・サービス残業を強いる
    • 休日日数が少なく、有給休暇も取得できない
    • 賃金が著しく低く、昇給しない

    ブラック企業の特徴と「大学職員の仕事」を照らし合わせて、職場環境を紹介していきます。

    離職率は低い、国立大学では10%以下

    ブラック企業は退職する社員が多く、毎年の離職率が50%を超えることもあります。

    筆者の勤める国立大学ではほとんど退職者はおらず、毎年5%程度にとどまっています。

    また、20人以上の動機入社組は7年以上経っていますが、1人も退職していません。

    退職者0は極端な例ですが、国立・私立大学ともに離職率が高い大学を聞いたことはありません。

    離職率の低さは「安定した仕事」というプラスの面と、「転職できるスキルがつかない」というマイナスの面があります。

    • 安定した仕事・・・福利厚生が充実し、産休・育休を取りやすく女性にも働きやすい
    • スキルがつかない・・・事務職のため、民間企業で求められる専門性が身につきません

    大学という特別な環境のため、会社勤めの経験のない「世間知らず」というイメージで大学職員を見る人も多いでしょう。

    30歳を超えた大学職員だと、スキルを活かした転職先となる会社はあまりないでしょう。

    パワハラはほとんどないが、ストレスを溜める職員はいる

    ブラック企業でよく聞くような「朝礼での恫喝」「人間性を否定する」という話を大学職員内で聞いたことはありません。

    ただし、「何をしても怒られない」わけではなく、組織内で行われる指導はあります。

    ミスをした職員が叱責されたり、能力が足りない職員が他部署に異動になったりと、大学組織を適切に運営するための人事は行われています。

    感情的な指導が「ハラスメント」になると理解している人が多いので、あまり注意は行わず、然るべきタイミングで異動させるなどということがよく行われます。

    「パワハラはないけど、上司がどう思っているかわからない」と怯えて、ストレスを溜めている若手職員もいます。

    業務ノルマは基本的にない。

    大学職員は事務職なので、月の売上金額などの業務ノルマはありません。業務ノルマで上司に詰められることはないので、安心です。

    学部として「志願者数」や「研究費の獲得金額」の目標が掲げられることがありますが、多くは事務職員ではなく、教員が達成するべき目標になります。

    事務職員は大学の目標が達成できるよう、「ホームページの更新」や「申請書類のチェック」を行うのがメインの仕事内容です。

    個人の目標設定を行い、評価を行いますが、数字を伴わない抽象的な目標がほとんどです。

    業務ノルマがないために、やりがいを感じられないと考える人もいます。

    長時間労働はあっても、サービス残業はなし

    大学は公的機関であるため、コンプライアンス遵守に厳しいです。

    長時間労働になることはあっても、法令違反のサービス残業はないと思っていいでしょう。

    部署にもよりますが、毎日定時で帰れるとは思わないほうがいいです。残業で業務を行う一例として、以下の業務があります。

    • 定時間近での教員・学生からの問い合わせ
    • 決算や入試など、季節的な業務量増加
    • 日中の窓口対応が終わった後の残務処理

    平均すると月20時間くらい残業をしている状況です。17時30分が定時なので、毎日1時間程度の残業で、20時頃までは毎日誰かしら残業をしているイメージです。

    繁忙期になると100時間近い残業をしている部署もあります。入試や決算などでは21時まで職場にいるのは当たり前です。中には日を跨いで職場にいる人もいます。

    ただ、労務管理はしっかりしているので、繁忙期でもないのに残業が多い職員には注意が入りますし、繁忙期でなければほとんど残業なしで帰れる部署もあります。

    年間休日はカレンダー通り、有給休暇の取得も推奨

    年間休日はカレンダー通りで大手企業・公務員並に多いです。年末年始も1週間程度の休みがあります。

    さらに、リフレッシュのための特別休暇を年間3日取得でき、年末年始や夏休みに年次有給休暇を組み合わせて10日間近い連休にする人もいます。

    有給休暇の年間5日取得が義務化されたこともあり、大学としては積極的な休暇取得とワークライフバランスを取って、働くことを推奨しています。

    実際の年休消化率は特段高くはなく、50%程度だと思います。

    入試やオープンキャンパスで、休日出勤することはありますが、振替休日の取得や休日出勤の手当で適切に労務処理は行われます。

    【参考】

    2〜3月は入試や決算などがあり、繁忙期となります。入試は繁忙期に行われるため、振替休日を自主的に取得しない職員も多いです。

    振替休日を取得しないことを強いられることはありませんが、業務量が多いから休めない・・・という状況ですね。

    給料は平均以上、昇給も安定して行われる

    多くの大学はブラック企業のような、劣悪な賃金体系ではありません。

    国立大学職員は、国家公務員の給与体系に基づいているため、平均以上の給与水準です。

    私立大学職員は、大学の規模にもよりますが、定員割れしていない大学であれば、平均以上の給与水準と言えるでしょう。

    誰もが知る有名私立大学は30代でも年収1000万円超えなど高水準の給与体系です。

    ノルマがない仕事で平均以上の給与水準となれば、ホワイト職場といっていいでしょう。

    国立大学と私立大学、どっちがホワイト?

    東洋大学 キャンパス

    大学職員という職場の特徴を考えると「ホワイト職場」と言えるでしょう。

    国立大学・私立大学で比較すると、仕事面では「国立大学」、給与面では「私立大学」がよりホワイトだといえます。

    利益の追求がない「国立大学」

    仕事の楽さという面では、国立大学のほうが「ホワイト」です。

    国立大学職員には、利益の追求が求められないからです。

    大学の方針に伴い、業務の変化はあるものの、定型的な業務が圧倒的に多いのが国立大学の仕事です。利益を追求する必要がないため、そこまでキツイ仕事がありません。

    一方で、ルーチンワークの仕事を「つまらない」と思う人は多いです。

    高年収が狙える「私立大学」

    給与・待遇面では、私立大学のほうが「ホワイト」です。

    私立大学教員は国立大学教員より高年収で、事務職員の給与も高年収になりやすいです。

    私立大学は受験料・授業料収入を増やしたいため、国立大学よりも優秀な職員の採用に力を入れています。

    一方で、土日の出勤は私立大学のほうが多いです。シフト制で土曜日の半日勤務がある大学も多く、私立大学の入試部署では毎週末に地方の説明会を行っているケースもあります。

    大学がホワイト職場になる理由は「参入障壁」

    千葉大学 事務棟

    大学職員の仕事がホワイトになりやすいのは、参入障壁の高い「独占的な業務」を行っているからです。

    世界中に大学はたくさんありますが、急激に大学の数が増えることはありません。

    日本でも文部科学省の認可を受けて、大学が新たに設置されることはありますが、歴史ある大学の価値はゆるぎません。

    隣に安くて美味い競合店ができると、経営が傾いてしまうのが飲食店ですが、大学ではそのような心配がありません。

    独占的な業務を行っており、競合が増えづらい大学は価格競争に巻き込まれることなく、職員を劣悪な環境で働かせる必要がありません。

    また、国立大学は利益を最優先にした機関でもないため、独立性が保たれます。

    実際に、ホワイト企業と言われるのは「インフラ業界」「化学業界」「海運業界」「地方公務員」など、競合他社が増えにくい業界です。

    安定したホワイト業界で働きたい方にとっては大学職員はオススメの仕事です。

    まとめ:大学職員はオススメのホワイト職場

    大学職員は、穴場のホワイト仕事です。

    • 離職率が低い
    • 業務ノルマがない
    • 年間休日が多い
    • 残業が少なく、給料が安定している

    ホワイトな仕事ですが、必ずしも楽な仕事ではないので注意が必要です。

    特に、大学職員が相手する「教員」は夜型のことが多く、先生の要求に迅速に答えるとなると夜遅くまでの業務が必要になります。

    大学職員は近年、人気の仕事となっていますので、転職を考えている方は転職サイトでの情報収集がら始めるといいでしょう。

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