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大学職員のリストラは今後増える?安定した職場の将来性を解説

大学職員のリストラ
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大学職員は景気に左右されにくい安定した職業です。

安定しているのは、「大学」という組織が「利益追求を最優先にしていない」「参照障壁が高く、競合が増えにくい」という理由からです。

一方で、近年は入学者募集を停止する私立大学が増えてきて、将来性に心配もあります。

本記事の結論
  • 大学職員は安定した職業。5つの要素から安定性を解説
  • 大学の将来性は不安だが、国立や有名私立大学はしばらく安泰
  • 運営費交付金があるため、リストラが行われる可能性は低い

現在の大学に安定しているイメージを抱いている人は多いでしょう。

大学職員の将来性やリストラの可能性について解説していきます。

ダイマナ
ダイマナ
現役アラサー国立大学職員
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  • 平成元年生まれの30代、千葉県出身
  • 現役大学職員(大学職員歴:6年)
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    大学職員のリストラが増える可能性は?

    近年では、「入学者募集を停止」というニュースをよく聞きます。

    入学者募集を停止した大学
    • 恵泉女学園大学(2024年入学者から)
    • 神戸海星女子学院大学(2024年入学者から)
    • 上野学園大学(2021年入学者から)
    • 広島国際学院大学(2020年入学者から)

    少子化の影響で、定員割れを起こしている大学が増えている状況です。大学職員の仕事・待遇への影響を気にする人は多いでしょう。

    経営が悪化している私立大学は民間企業同様、ボーナスカット・部署異動などが行われます。

    しかし、すぐにリストラとなるわけではありません。日本の法律では簡単に解雇はできないため、新規採用の停止や賞与カットなどの対策を行うことになります。

    地方で経営が悪化している私立大学の一部は、税金が投入されて公立大学になっているケースもあり、経営悪化がすぐにリストラには繋がらないのが大学業界です。

    参考:私立大学の公立化

    続いて、大学職員の職場環境が安定していると言われる理由を解説していきます。

    大学職員の仕事が安定している理由

    一般的に仕事の安定は「会社の経営状況の安定」をいうことが多いです。経営状況が安定していれば、人員整理やボーナスカットなどを行う必要がなく、安定した雇用環境を維持できるからです。

    大学の経営状況は、民間企業に比べると安定しています。

    「利益追求を最優先にしていない」「参入障壁が高く、競合が増えにくい」という理由からです。

    大学は「より良い教育を行うための学校法人」が運営

    大学は民間企業と異なり、「学校法人」が運営しています。学校法人は「よりよい教育を行うため」に設置された機関です。

    教育を行うために、国からの補助金が整備されていますし、景気により経営が左右されにくい特徴があります。

    受験生・学生がいる限り、円安や物価高の影響を受けて、大学経営が大幅に傾くということは考えにくいです。

    参考:【文部科学省】学校法人制度の概要

    参考:【日本私立学校協会】「学校法人」ってなに?

    大学経営のミスで学生が不利益を被る状況にならないように、国が後ろ盾として存在しています。

    大学は「参入障壁が高く、競合が増えにくい」

    大学は、参入障壁が高く、競合が増えにくい職場です。

    数年の間に、新しく大学がいくつも開設されたという話は聞きませんよね。大学の設立には文部科学省の認可が必要となり、多額の資金も必要になります。

    町中にある店舗であれば、近くに競合店が出店すれば売上高に影響が受けるのは当然ですし、インターネットで販売しているサービスは世界中の商品との価格競争に晒されています。

    競合サービスの登場で、倒産に追いやられる企業も少なくない中、「大学は高い参入障壁に守られている」と考えていいでしょう。

    5つの安定要素

    大学職員5つの安定

    民間企業と比較して感じる「安定の状況」を5つの点で紹介します。

    • 給与の安定
    • 雇用の安定
    • 労働環境の安定
    • 業務内容の安定
    • 人間関係の安定

    給与の安定:経営状況・収入が安定しているため

    大学職員は給与体系が安定しています。

    私立大学で経営が苦しくなり、給与体系が悪化した話は聞いたことがありますが、名の知れた大学では問題ないでしょう。安定して昇給していきます。

    国立大学職員は給与が高くありませんが、私立大学は高年収の仕事として知られています。

    研究に関する国からの予算は年々削減されているものの、技術の先進国として世界をリードしていくためには大学教授の研究力は必ず必要なものであり、給料が減ることは考えにくいでしょう。

    受験料・授業料収入の増減はありますが、短期的に大学の教職員の給料に影響する可能性は低いです。

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    雇用の安定:経営状況が安定しており、リストラが不要

    大学職員は雇用環境も安定しています。リストラや人員整理ということは考えづらいです。

    経営状態が景気による影響を受けづらいということと、学校法人である以上国からの補助金等があることが理由です。

    ひどい経営状況悪化でもない限り、雇用は守られると考えていいでしょう。

    経営状況が悪化したり、国からの補助金が減ったりしても、まずは新規採用数を絞ることや職員の非常勤職員化で調整することとなりますから、現職に影響が出るのは先になります。

    民間では、大企業でも解雇や早期退職の募集が行われている状況です。財政破綻する市もある状況では、大学職員の「安定性」は高いと言えます。

    ただし、長期的には18歳人口が減り、受験料収入が減ることは間違いありません。収益を得るための施策を大学が行っているかは注視しておいたほうがいいでしょう。

    労働環境の安定:ワークライフバランスを重視できる

    大学職員はワークライフバランスを重視して、仕事ができる環境です。ライフプランに応じて、働き方を変えられる制度が整っています。

    具体的には、年次有給休暇・慶弔休暇・リフレッシュ休暇などが整備され、休暇の取得が推進されています。

    また、男女ともに育児休業を取得することができ、筆者の大学では3割程度の男性職員が育児休業を取得しています。

    病気・育児・介護などに関する休業・時短勤務制度を利用しやすいため、育児休業と復帰を繰り返して、長年働いて管理職になっている女性職員もいます。

    経営が安定しているため、職員を休ませる余裕があるということでしょう。

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    業務内容の安定:大きく仕事内容が変わることはない

    仕事内容が安定しているのも大学職員の特徴です。

    大学事務職員の仕事は「総務・人事系」「学務・教務系」「財務・会計系」のいずれかがメインです。

    参考:大学職員の職種の分類は「事務8割」「技術1割」「図書1割」

    「より良い教育を提供する」のが、学校法人の目的ですから、目的外の職種への異動は考えにくいです。

    民間企業では、大手企業でも経営を続けるために業態をシフトしている企業は多いです。

    • 飲食業界→介護業界
    • 自動車メーカー→金融業界
    • 店舗販売→ネット販売

    会社が力を入れる分野に合わせて、社員が働く場所も変わっていくことはよくありますが、大学職員が全く違う業界の仕事を行う可能性は低いです。

    そもそも、大学職員の仕事は「事務」なので、誰にでもできる仕事が多いです。

    人間関係の安定性:関わるのは教員と学生が中心

    大学内での人間関係も安定しています。

    公的機関で働く、大学職員・大学教員には態度のムラがない人が多く、安定した人間関係が築けます。

    大学に関係する人は全体的に、心穏やかな人が多く、常にノルマに追われて、業績に左右される民間企業とは違った環境だと感じます。

    安定した対人関係の中で仕事をできるのは恵まれている環境だと思います。

    中には、人間関係にストレスを感じる人もおり、下記の記事で紹介しています。

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    2つの不安定要素

    ここまで、安定している要素を紹介してきましたが、安定していないと感じる要素として「将来性」と「残業時間」が挙げられます。

    大学の将来性には不安があるため、別のスキルをつけよう

    大学の将来性に不安を抱える人は多いでしょう。18歳人口が減り、海外からの留学生数の大幅な増加も期待できないとなると、大学の存在感は減るばかりです。

    また、日本の大学の研究費の少なさ等から、研究環境を海外に求める優秀な学生・若手教員は少なくありません。

    とはいえ、治安が良く島国である日本から大幅な人口流出は考えにくいため、対策する時間があります。大学に勤めながら別のスキルをつけたり、副業を行うのがいいでしょう。

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    繁忙期に残業時間が多くなる大学職員

    大学職員は閑散期と繁忙期の業務量のムラがあり、入試などの行事が重なる2〜3月は夜遅くまで残業する人が多く、残業時間50時間を超える人も少なくありません。

    安定しているからといって、常に暇というわけではないので、覚悟しておいたほうがいいでしょう。

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    大学職員の将来性は?

    東京大学 安田講堂

    大学職員の将来性について、現場で働いて感じることを2つの視点から紹介します。

    AIの普及による将来性の不安

    2020年代以降、一般人が使えるAIが増え注目を浴びています。AIに仕事を取られる仕事の代表的なものとして「事務職」が挙げられます。

    実際に、書類作成やデータの取りまとめなどはAI普及の影響を受けるでしょう。

    公務員の仕事と比較されることがありますが、大学職員のほうがAIに仕事を取られる可能性は高いと考えています。

    • 大学職員・・・教員が学生サービスを行えるため、職員の必要性は薄い
    • 公務員・・・・単純な事務仕事以外にも福祉事業・災害対応・観光など人の力が必要な分野は多い

    これから大学職員として働く場合には、「大学職員をやめても働けるスキル」を身につけることは必須になるでしょう。

    10年程度は大きな変化はないと思いますが、「人口減少」「AI普及」という2つの脅威がある点は理解しておくべきです。

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    公的研究・医療の社会的意義

    大学職員の将来性に不安を感じた方もいると思いますが、民間企業にはない社会的意義が大学にあることも現場では感じることができます。

    • 利益追求の民間企業ではできない基礎研究を行える
    • 学生が減っても、附属病院での収入は安定している

    コストパフォーマンスが悪くて民間企業では行えない研究を大学では行えます。地道な研究が大きな成果を生み出すこともある以上、公的研究は必要とされ続けるでしょう。

    また、医療分野は今後もマンパワーが必要な業界なので、附属病院に大学職員が多く送り込まれるということもあるかもしれません。

    「ホワイト職場だから安心」と思うのは危険ですが、研究力のある大学の将来性について過度に心配する必要もないように思います。

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    国立大学と私立大学の違い

    「国立大学職員はやめとけ」という意見の中に、「私立大学のほうが待遇がいい」という意見があります。

    確かに、公務員に近い待遇の国立大学職員に比べて、私立大学職員の方が年収が高い傾向にあります。

    • 国立大学職員・・・元国家公務員、国立大学法人として独立行政法人が運営
    • 私立大学職員・・・民間の学校法人が運営し、教育・研究に特色がある

    年収を始めとした待遇・福利厚生では、私立大学職員の方が人気がありますが、学生数減少・授業料収入減少の影響を受けやすいのも私立大学です。

    年収が高いからと安心せずに、学生数減少などの影響を受けていないか、自身で確認することも必要です。

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    まとめ:大学でリストラは少ないが、将来性に不安も

    大学職員は様々な要素から、「安定」している仕事といえます。経営状況が安定しているため、給与・雇用に関しては、しばらく不安になる必要はないでしょう。

    しかし、20年以上先を考えた将来性については「不安な要素」もあります。何十年先も確実に安定が続く業界・仕事ではないと思います。

    現在、20代の方や小規模大学に勤務していて不安という方は、転職の検討をしてもいいかもしれません。

    大学職員を辞めた方の体験談などを紹介しています。

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    また、公務員や国立大学への転職を検討してもいいでしょう。近年では、社会人採用試験・独自採用試験も増えています。

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