大学職員・教員の給与・昇給事情を紹介!私立と国立で異なる制度

大学で働く教職員の平均給与は様々なデータがありますが、私立・国立、地域などで大きく異なります。
本記事では、平均年収と昇給の仕組みなどについて、細かく紹介していきます。
- 私立大学職員の平均年収約730万円
- 国立大学職員の平均年収約600万円
- 私立大学教員の平均年収約1100万円
- 国立大学教員の平均年収約800万円
職員・教員ともに国立大学よりも私立大学のほうが高年収です。昇給のスピードも早いです。
具体例や年齢構成などについても紹介していきますので、参考にしてください。

私立大学職員の給与・昇給
私立大学職員の平均年収は約734万円です。平均年齢は40代前半ですが、高年収の業界です。
地方の私立大学や小規模大学も含めた平均のため、有名大学は平均よりも高い水準で40歳で年収1000万円を越える大学も少なくありません。
私立大学職員は昇給のスピードも早いです。
新卒での年収は400万円台ですが、毎年の昇給額が大きく、役職が付けば大きく給与が上がります。
給与の高さから、退職金も期待できるホワイトな仕事です。
難点としては、求人が少なく採用倍率が高い点です。
就職・転職できるスキルに自信があるなら私立大学職員は狙い目の職業になります。

国立大学職員の給与・昇給
国立大学法人職員の平均年収は約600万円です。平均年齢は40代前半になります。
国立大学法人では地域手当という手当があり、首都圏ほど給与が高くなります。
東京大学では同年代で600万円台後半の平均年収、島根大学では500万円台前半の平均年収というような開きがあります。
決して高い年収ではないですが、元国家公務員の安定性が魅力です。
昇給も毎年行われ、年功序列で5,000円~10,000円程度ずつ昇給していきます。
また、人事院勧告に基づく公務員給与の増減に応じて、国立大学法人職員の給与の増減があります。
インフレで賃上げが行われている時勢では、国立大学法人の給与も上がっていきます。

私立大学教員の給与・昇給
私立大学教員は、若くして高年収が狙える職業です。
教員には、教授・准教授・助教・助手などがいますが、私立大学の全体の平均年収で1100万円程度です。
教授であれば、年収1200万円越えは当たり前の水準で、1500万円を越えている人も珍しくありません。
ネームバリューを考えれば東京大学や京都大学ですが、年収では早稲田大学や立命館大学のような私立大学のほうが高くなります。
私立大学の教員は昇給のペースも早く、昇進があると大幅に基本給がアップします。
学生の質や海外の大学との研究交流を考えると国立大学ですが、年収でいうと私立大学が1.2倍~1.5倍程度になるため進退に悩む教員も多いです。
実際に、私立大学の教授から国立大学の教授へ転職する人も稀にいるのですが、生活水準を落とす必要があると話をしていました。
特に若いうちの給与で考えると、断然私立大学に軍配が上がります。

国立大学教員の給与・昇給
国立大学教員は、権威のある職業で比較的自由度も高く、満足度の高い職業と言われています。
国立大学教員の全体の平均年収は800万円ほどです。
教授とはいえ国家公務員時代の給与体系を踏襲しているため、特別高い給与水準にはなっていません。
教授で平均年収1000~1100万円、准教授で800~900万円、助教で600万円~700万円程度の年収になります。
地方国立大学では教授でも、年収1000万円以下というケースもあります。
研究の第一人者と考えると低い年収に思いますよね。
昇給に関してもスローペースです。国立大学職員に比べると基本給が高いですが、昇給のスピードはさほど変わりません。
また財政難のため、近年は国立大学教員の採用を減らし、昇進を遅らせる傾向があります。
50歳で教授になるのが当たり前という時代もありましたが、上が詰まっていて昇進できず、給料が上がらない大学教員も少なくありません。
給与は上がりにくいのに、コンプライアンスの重視から仕事量は増えているような状況にあります。

まとめ:給与の水準は私立大学が上
国立大学・私立大学の教職員の給与事情を紹介してきました。
- 平均年収は教職員ともに、私立大学が国立大学の1.2~1.5倍
- 給与水準の高い私立大学へ国立大学からの転職者は多い
給与・待遇の水準を考えると私立大学のほうが魅力的と言えます。
国立大学はブランド力がありますが、研究職(教員)も事務職(職員)も、同世代の別業界に比べると給与水準は低めです。
給与に納得できない方は、私立大学への転職を検討すると良いでしょう。

