大学職員・教員は福利厚生が充実!家賃補助・施設利用などの制度を紹介

大学職員はホワイトな職場と言われ、福利厚生が充実しています。
大学の図書館や体育館が利用できたり、Officeソフトを無料でインストールできるなど、教職員ならではの制度があります。
- 私立大学・国立大学ともに制度・手当などの福利厚生が充実している
- 一般的な福利厚生のほか、学内施設が利用できるのは嬉しいポイント
- 福利厚生の充実は教員の給与が高いことが影響している
本記事では、大学教職員の福利厚生制度について解説していきます。
なお、私立大学と国立大学法人で退職金の制度に違いがありますので、併せて解説します。

大学職員・教員の福利厚生の内容

「福利厚生」は給与・賞与以外の従業員向けのサービスのことで、一般的には以下のものが挙げられます。
- 住宅手当・家賃補助
- サービス利用優待
- 特別休暇
- 学内サービスの利用
- 資格取得補助
多くの大学では、上記のサービスを取り入れており、平均以上の充実した福利厚生サービスを受けることができます。
具体的に、筆者の勤める国立大学の福利厚生は以下の通りです。
【国立大学法人の福利厚生:例】
- 家賃補助:月額最高2.8万円(国家公務員に準拠した住居手当)
- スポーツジムや飲食店の利用優待クーポン(文部科学省共済組合)
- 年休以外のリフレッシュ休暇あり、1週間以上の連続休暇推奨
- 大学内施設の無料・優先利用
- 英語学習や簿記取得のための研修や支援金あり
おおむね満足できる福利厚生が揃っています。
一部の企業で設けている社宅制度や家賃の半額を超えるような家賃補助はありませんが、十分納得できる内容です。さらに大学ならではの福利厚生もあります。
大学特有の福利厚生サービス
大学ならではの福利厚生サービスとして、充実した施設の利用が可能になる点が挙げられます。
実際に東京大学の職員採用のサイトで福利厚生について、以下の通り記載されています。
「昼休み、勤務時間終了後や休日に、学内のジム・テニスコート・グラウンド・プール等の体育施設や附属図書館を利用することができます。」
大学図書館を利用できる

大学の職員証で図書館に入ることができます。
【大学図書館でできること】
- 図書館での資格勉強
- オンライン会議への参加
- 新聞・雑誌の閲覧
- 本を借りる
近年では、大学の魅力向上のため豪華な図書館を持つ大学が増えています。アクティブラーニングスペースや、オンライン会議が可能な個室もあり、気持ちよく学習することができます。
高いコーヒー代を払わなくても、落ち着いた空間で勉強できるのは、大学教職員の特権の1つです。
グラウンド・体育館・プール・更衣室が使える

大学内にある体育施設は職員も利用することができます。
筆者の勤める大学では、昼休みの間、グラウンドが職員に開放されています。昼休みにグラウンドでのサッカーや体育館併設のジムで汗を流す職員もいます。
職員用の更衣室やシャワールームもあるため、シャワーを浴びて、気持ちを切り替えて午後の仕事に取り組むことができます。
昼休み以外の時間は「授業」「部活」「サークル」で使われるため、全ての時間で自由に使うことはできません。
施設内のWi-Fi・包括契約ソフトウェアが使える

大学内はほとんどの場所でWi-Fiがとんでいます。職員のアカウントがあれば、スマホやPCをWi-Fiにつなげることができます。
個人用の端末にはWi-Fi接続禁止という職場もあるようなので、自由に使えるのは嬉しいポイントです。
また、大学が契約している包括契約ソフトウェアを無料で使えます。OFFICE、Googleアカウント、adobe、セキュリティソフトなど、大学ごとに異なりますが、個人用のパソコンで使える場合もあります。
学食・大学内食堂を利用できる

学食で食事ができるのも地味に嬉しいポイントです。
懐に優しい生協食堂だけではなく、こだわりの学食を展開している大学もあります。学食で学生の楽しい雰囲気に混じって食事ができるのも大学職員ならではの経験です。

国立大学と私立大学の福利厚生の違い
ここまで挙げてきた充実した福利厚生は、国立大学と私立大学であまり違いはありません。大きく変わるのは「退職金」の扱いくらいです。
国立大学の退職金制度
国立大学職員は、元々国家公務員だったこともあり、どの大学も同じような退職金の運用を行っています。
各大学で「退職手当の支給に関する規程」を定めているため、規程に則って退職金が支給されます。
国立大学法人の退職金について以下の記事も参考にしてください。40年間勤めた職員の退職金は平均で2000万円程度になります。

私立大学の退職金制度
私立大学職員は退職金に関して共通の決まりはありませんが、一般的には国立大学職員よりも退職金額が高い傾向にあります。
60歳まで勤め上げ、部長職までなれば退職金だけで5000万円という私立大学もあります。
中規模以上の大学であれば、基本的には給与額も退職金額も平均以上の水準になっていると考えていいでしょう。
大学の福利厚生が良いのは、給料の高い教員のおかげ

一般企業にも通じたことですが、構成員が多く、納められる社会保険料が多い健康保険組合・共済組合は高待遇の福利厚生を提供できます。
例えば、大企業の「トヨタ」や「NTT」が中心となっている健康保険組合は福利厚生が充実しています。
大学も同様で、教授を始めとした構成員の給料が高く、人数が多いですから、納める社会保険料も高額です。ちなみに、国立大学法人の教職員は「文部科学省共済組合」という、文部科学省と同様の健康保険組合に加入しています。国家公務員と同様の内容ですから高待遇です。
ただし、「税金を原資とする国家公務員の福利厚生」が充実していることには批判があり、一般的な民間企業並みの福利厚生サービスにするよう、改悪されつつあります。
例えば、毎年行われる健康診断は、法律で定められている最低限の内容に留めていることなどが挙げられます。

まとめ:大学は福利厚生が充実したホワイト職場
大学職員の福利厚生は充実していると言っていいでしょう。年間休日数の多さや手当の充実に加えて、大学内の施設が利用できるのは嬉しい特典です。
特に、以下の福利厚生は民間企業ではなかなか、得られるものではありません。
- 運動をする人にとって、職場内に運動スペースを得られること
- 勉強をする人にとって、職場内の図書館を利用できること
大学教職員の仕事・給与については、以下の記事でも紹介していますので、参考にしてみてください。
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