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国立大学職員はやめとけ?10年以上勤めた現役職員の本音

大学職員はやめとけ
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「大学職員はやめとけ!」と言われるのは、将来性のなさ・スキルがつかないなどの理由からです。

実際に、国立大学職員として10年以上勤務して感じる大学職員のデメリットをお伝えします。

国立大学職員のデメリット
  • 将来性がない
  • スキルが身につかない
  • 年功序列の評価制度
  • 無能な職員が多くストレス
  • 私立大学に比べ年収が低い

本記事では、実際に大学職員として10年以上勤務して感じる「国立大学職員はやめとけ」と言われる理由を解説していきます。

一方で、筆者は大学職員のホワイトな職場環境に魅力を感じていて、やめようと思ったことはありません。国立大学職員になってよかったことも紹介します。

ダイマナ
ダイマナ
現役国立大学職員
Profile
  • 平成元年生まれの30代、千葉県出身
  • 現役大学職員(大学職員歴:10年)
  • 大学では、教務・研究支援の業務を担当
  • ゆるふわ大学職員になろう
  • 教務.com管理人
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    国立大学職員はやめとけと言われる5つの理由

    大学職員はやめとけと言われる理由

    国立大学職員は人気の職業ですが、「やめとけ」という意見もわかります。実際に、働いていて感じる大学職員のデメリットは以下の5つです。

    • 将来性がない
    • スキルが身につかない
    • 年功序列の評価制度
    • 無能な職員が多くストレス
    • 私立大学に比べ年収が低い

    将来性がない環境

    大学業界は今後も成長していく業界ではなく、衰退に向かう業界といえます。以下の理由があります。

    • 少子高齢化で18歳人口が減少している
    • 日本では、大学への社会人入学が浸透していない
    • 国の魅力が相対的に低下し、外国人留学生も減少傾向
    • 優秀な研究者が多く退職している

    大学業界で明るいニュースはほとんどありません(近年では第3子の大学無償化くらいです)。

    働く場所としての「大学」は福利厚生・待遇が良い場所でした。大学教授は年収が高く、自分のやりたい研究ができる満足度が高い仕事として上位にランキングしています。

    しかし、近年では大学教授を退職し、民間の研究機関や海外の大学に転職する人もいます。最先端の研究環境を求めると、研究費が減り続ける日本の大学に居続けるべきではないと考えられる状況です。

    大学のセールスポイントである名物教授の「研究力・教育力」が衰退すれば、大学の受験者数や収益も低下します。

    首都圏の有名私立大学や国立大学に影響が出てくるのはまだ時間がかかると思いますが、将来性が危うい「斜陽産業」ということは理解しておいたほうがいいでしょう。

    今後、給与が上がらず、仕事だけが増える可能性も大いにあります。

    スキルが身につかない職場環境

    大学職員は専門的スキルがつきにくい仕事です。事務職員の仕事はマニュアルに沿った仕事で「総務・人事」「財務・会計」「学務・教務」の配属が8割以上です。

    それぞれの分野で多少の専門性はありますが、転職市場でアピールできるほどではありません

    優秀なビジネスパーソンは、他社でも使える専門性を身に着けて、スキルアップしていきますが、大学の事務職員には難しいです。

    • 総務・人事・・・大学内のルール・人事制度・規程に詳しくなるだけ
    • 財務・会計・・・簿記知識、経理知識はつくが大学の業務に限定した知識が中心
    • 学務・教務・・・学籍・入試・成績などの学内ルールに詳しくなる

    特に国立大学職員は公的機関なので、利益をあげるためのスキルは付きづらいです。

    「営業力」「マーケティング」「専門資格」などのスキルをつけて高年収を目指す方は、大学職員はやめておいたほうがいいでしょう(大学職員に限らず、大企業の総合職採用は施文スキルはつきにくいと思います)。

    年功序列の評価制度

    大学の多くが「年功序列の評価制度」を採り入れています。優秀な職員が出世していくのではなく、年齢・経験に応じて役職・給与が決まります。

    優秀で意欲のある職員にとっては「割に合わない仕事」と感じることが多いでしょう。

    特に、国立大学職員は国家公務員の給与体系を踏襲しており、実績で評価されることはほとんどありません。

    50歳を過ぎた窓際職員が、若手の倍近い給料をもらっているということもあります。頑張りが評価されない仕事に見切りをつけて、転職する若手職員もいます。

    関連記事:国立大学法人職員の平均年収は低い?30歳の給与月額・ボーナスを公開!

    無能な職員が多くストレス

    国立大学職員には優秀な職員もいますが、無能と感じるような職員も多くいます。

    労働環境・規程が整っているため、仕事で成果をださなくても給料をもらえるシステムが整っています。

    • 労働基準法により、解雇は困難
    • うつ病と診断されれば、病気休暇・病気休職を使い、給与・給付金を受け取れる
    • 勤務態度が悪くても、降格・減俸はほとんど行われない

    このような状況から、なるべく働かずに給料を得ている職員がどこの大学にも一定数います

    「仕事をしない職員」の尻拭いを優秀な職員が行うことも多く、不公平感を抱いている職員は多いでしょう。

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    私立大学に比べ年収が低い

    国立大学職員は、全国平均以上の年収であるものの、私立大学に比べると年収が低いです。

    • 私立大学職員:約730万円
    • 国立大学職員:約600万円

    私立大学職員や地方公務員と比べて給与が低いため、低年収と感じている人もいます。

    • 年収:私立大学職員>公務員>国立大学職員
    • 忙しさ:私立大学職員≒公務員≒国立大学職員

    私立大学よりも年収が低く、忙しいことも多いため、「国立大学職員はやめとけ」と言われるのでしょう。国立大学職員の経験を活かして私立大学職員へ転職する人もいます。

    私立・国立の給与制度の違いは以下の記事でも紹介しています。

    関連記事:大学職員・教員の給与・昇給事情を紹介!私立と国立で異なる制度

    国立大学職員に向かない人・向く人

    前章の内容を整理すると、以下の考え方の人は国立大学職員は向いていません。

    • 伝統的な業界よりも、将来性のある業界で働きたい
    • スキルをつけて、自分にしかできない仕事をしたい
    • 年功序列ではなく、成果主義で評価してほしい
    • 優秀な人に囲まれて仕事がしたい
    • 安定に興味がない

    将来性のある業界でスキルをつけたいという方には大学職員は向いていないと思います(国立・私立ともに)。就活生の方は別業界への就職を、現役大学職員の方には転職をおすすめします。

    【関連記事】国立大学職員を辞めたい人へ!辞めてよかった理由・退職の体験談を紹介

    一方で、以下に当てはまる人にとって大学職員はおすすめの仕事です。

    • 成長している業界でなくてもよい
    • 給与がもらえるなら、ルーチン業務でも構わない
    • 年功序列の給与制度が魅力的
    • 安定志向

    基準として33歳以下の人は筆記試験対策を、34歳以上の人は独自試験対策からはじめるといいでしょう(翌年の翌年4月1日時点で35歳以下が筆記試験の受験資格のため)。

    【関連記事】国立大学法人は統一採用試験・独自採用試験どっちが採用されやすい?

    大学職員になってよかったこと

    やめとけ!と言われることも多い国立大学職員ですが、筆者は大学職員になってよかったと感じています(大学職員歴10年)。具体的には以下の3点からです。

    • 働きやすいホワイト職場
    • 家庭・趣味・健康の充実
    • 地域貢献ができる

    働きやすいホワイト職場

    国立大学は元国家公務員の公的機関なので、働きやすい環境が整っています。

    • 休暇・休業制度が充実
    • ノルマなど、ストレスがかかる仕事が少ない
    • 残業が少なく土日休み

    休みが少ない労働環境で、大学職員よりも低い給料で働いている人は多くいます。

    大学はスキルが身につかない職場であるとしても、ホワイトな職場環境であるため、就職してよかったと考える人は多いです。

    実際に筆者は、民間企業で働いていた時に比べて労働時間が減り、仕事のストレスも減ったため、趣味や家族の時間を充実させることができています

    ホワイト企業である大学職員に転職して、本当に良かったと思っています。

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    家庭・趣味・健康の充実

    大学職員の仕事内容に不満を感じることはありますが、大学職員に転職してから家庭・趣味・健康の充実を感じます。

    大学職員になってからの変化
    • 結婚を経て2人の子供が誕生。夫婦共働きだが、休暇制度を利用しながら問題なく仕事を続けられている。
    • 大学職員に転職後は仕事に忙殺されることがなくなり、旅行や音楽ライブに頻繁に行くことができた。
    • 学内施設を使ったスポーツ習慣ができ、飲み会や取引先との食事も減ったため体重が10キロ減り健康的に。

    筆者の前職と比べると収入面では変化はありませんでしたが、労働時間や時間外の連絡が激減したため、プライベートに余裕ができました。

    仕事よりもプライベートを重視したい人に大学職員はおすすめです。

    【関連記事】大学職員になってよかった!10年勤めた現役職員の変化

    地域貢献ができる

    国立大学は1都道府県に1~2程度で、地域の中心となる教育機関です。

    • 地域に雇用を生み出している
    • 地元企業と提携した共同研究を行っている
    • 自治体と連携し、社会問題に取り組んでいる(医療・教育・福祉など)

    このように老若男女に幅広く関連している組織は、なかなかありません。

    生まれ育った地域で、福利厚生や安定性を重視して働きたい方にとっては、地元への恩返しもできて申し分ない仕事といえます。

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    • 地元で勉強する若者(学生)への支援
    • 地域に多くのヒト・カネを集める仕事ともいえる

    地元が好きという理由で、単純な仕事にもやりがいを感じている人はいます。県外への転勤が少ないことも、嬉しいポイントです。

    【関連記事】国立大学法人職員の部署異動は2〜3年ごと!転勤は少ない

    まとめ:向いてる人には大学職員はおすすめ

    国立大学職員はやめとけと言われる理由について紹介してきました。

    将来性や習得できるスキルを考えると「やめとけ!」という意見にも納得できます。スキルをつけて、将来性のある業界で働きたいと考えている人には大学職員の仕事は向いていません

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    一方で、民間企業から転職した筆者にとっては、非常に心地のいい職場です。

    • ノルマがなく、仕事が比較的楽
    • 頑張りすぎないでも給与が上がる安定した仕事
    • 体調を崩すような、パワハラ上司がいない

    業界の将来性や仕事内容について割り切って考えることができれば非常にいい仕事です。

    仕事に重視することが「安定」「地域貢献」という人は是非、大学職員への転職も検討してみるといいでしょう。

    大学職員になる方法は以下の表の通りです。関連記事なども読んでみてください。

    国立大学職員
    になる方法
    統一採用試験
    (33歳以下の人におすすめ)
    独自採用試験
    (34歳以上の人におすすめ)
    受験対象者35歳まで(令和8年試験から)一定期間の社会人経験など、大学による。
    試験日筆記:6月~7月
    面接:8月
    6月~9月頃が多い
    筆記試験教養試験(知能分野重視)適性試験程度、課さない大学もある
    書類選考原則なし書類で半分以下に絞られる
    倍率10~20倍程度30倍以上の高倍率
    求める人材新卒・第二新卒がメイン
    35歳までの若手を採用
    大学運営に活かせる社会人経験
    専門資格・スキルが必須なことも
    難易度低め(誰にでもチャンスあり)高い(資格・経歴が必要)
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