パワハラで子育て中の大学職員が塾講師に転職した体験談
30代で大学職員から転職したノリオさんにインタビューを行いました。
- 大学職員30代からの転職先は?
- 大学職員で人間関係に悩んだらどうする?
- 大学職員でもパワハラにあった実体験を聞きたい
本記事では、こんな疑問が解決できると思います。
- 30代で大学職員からの転職も可能だがキャリアアップは難しい
- 子育て世代にとって大学職員の待遇・福利厚生は魅力的
- 大学職員にもパワハラ上司はいる。パワハラが原因で退職したリアルを聞きます。
インタビューしたノリオさんのプロフィールは以下のとおりです。
ノリオさんプロフィール
- 38歳 3人の子育て中
- 夫婦で大学職員。上司のパワハラが原因で塾講師に転職
- 温厚な性格で、周りからの信頼が厚い係長だった
ノリオさんは周りからの評価が高く、若くして係長に昇進しましたが、上司からのパワハラを受けて転職した経験があります。
安定した職場だと思われている大学でのハラスメント事情、30代後半からの転職のリアルについて聞いていきます。
筆者のプロフィールは以下のとおりです。
40代で転職したショウコさんのインタビューは以下の記事で紹介しています。
30代で大学職員を退職した理由はパワハラ
退職の理由が、パワハラというのは本当ですか?
パワハラと断定していいかはわかりませんが、上司からのプレッシャーが嫌で退職しました。
昇進と同時に上司からパワハラを受ける
30代後半で順調に係長に昇進しましたが、その部署での課長からのパワハラがすごかったです。
具体的な課長の言動は以下の通りです。
- 部下の前で、今まで受けたことのない叱責
- 書類を回すたびに、執拗なチェック・再提出を求められる
- 「こんな進め方じゃだめだろ」「ちゃんと規程・書類見てるのか」という指摘が毎日
よく聞くブラック企業のような、一発アウトの理不尽言動ではなかったため、人事部などにも報告できないような状況でした。
課長のほうが業務知識があり、言うことに一定の正しさがあっただけに、反論のしようがありませんでした。
周りからも「普通ではない言動」とは言われていたので、パワハラという理解で間違いないと思いますが、タレこむほどの証拠はないという状況で、疲弊していたため退職を選択しました。
共働きのため、嫌な仕事を続ける必要はなかった
小さい子供含め3人の子育て中のため、退職は少し躊躇しました。
それでも、奥さんも同じ大学の職員で貯蓄はある程度あったため、ストレスある仕事を続けるのではなく退職という選択ができました。
求職や異動願という選択肢もありましたが、上司とごねると奥さんが働き続けるのにも悪影響があると思い、僕はキッパリと辞めることにしました。
課長は「3人の子供がいるから、やめられないだろう」という考えもあって、高圧的な態度だったのだと思います。
辞表を出した時の驚いた顔は、よく覚えていますね。
大学職員を志望した理由
なるほど・・壮絶な経験をされたのですね。。もともと大学職員を志望した理由はなんだったのでしょうか?
公務員に不合格だったので、合格した大学職員になりました。安定した仕事に就きたいと思っていました。
公務員試験と併願し、合格した大学職員へ
3年で3割辞めると言われる中、公務員や独立行政法人は比較的定着率が高い傾向にあります。
都心で働くビジネスマンを目指して金融機関やIT企業に進む同期が多い中、堅実に公務員試験の勉強をしていました。
結果、首都圏を中心に全ての公務員試験は全滅、滑り止めと思っていた国立大学に内定をもらったのでそのまま就職しました。
仕事は難しくなく休みも取りやすいため、給料は高くないですが満足していました。
入職して3年ほどで勤め先の大学の同期だった妻と結婚、3人の子供に恵まれ順風満帆な生活を送っていました。
ホワイト企業であれば一生勤められると思っていた
妻は、3人の子供の出産の度、1年ほどの育児休業を取得していまいました。
私は、育児休業こそ取得しなかったものの、子供の病院・保育園などで柔軟に休ませてもらっていて、非常に働きやすい職場でした。
順調に係長に昇進したので、一生勤め続けると思っていました。。。異動先で、あの課長を上司に持つまでは。
大学職員は安定した仕事だと思っています。
- 大学職員はホワイト企業だから、定年まで安泰
- パワハラにあっても、通報や休職すればいい
- パワハラした職員はすぐに降格になる
しかし、陰湿なパワハラで被害者が1人しかいない場合、職場は課長の味方というケースが多いです。
当時の課長は、今でも課長として別の部署で働いています。「ホワイト企業だから絶対大丈夫」と思い込むのは危険です。
30代で大学職員からの転職活動
やはり30代からの転職活動は大変でしたか?
官公庁への転職、年収アップを最初は目指しましたが、難しかったです。収入面は妻に任せて、やりたい仕事に就こうと考えるようになりました。
独立行政法人や官公庁への転職は狭き門
大学職員という公的機関での事務職の経験を活かせる仕事として、独立行政法人や官公庁の求人から探していました。
新卒時には知らなかった公益法人や公務員の社会人採用など、様々な求人があることを知りました。
しかし、ホワイトというイメージのある公的機関の事務職は、数人の採用に300人以上の応募があることも多く、狭き門でした。
いくつかエントリーシートを送りましたが、全て書類で不合格。38歳という年齢もあって中々厳しかったです。
転職エージェントに紹介された求人では面接まで進みましたが、大学で経理業務をやっただけのスキルでは足りずに断念。現実的な転職先を探しました。
昔にやりがいを感じていた塾講師の仕事へ
大学職員の時と同じような待遇で探していましたが、子供が3人いるため、勤務地も限られているのがネックでした。
妻は仕事を続けているため、収入は気にせず、働きやすさ・やりがいを重視して次の職探しをスタートしました。
職探しの条件は以下の通り。
- 自宅から1時間以内の勤務地
- 第2の人生、やりがいを感じる仕事がしたい
- 激務で身体を壊すことがない
この条件で探していたところ、地元の学習塾の講師が候補になりました。
大学時代に講師をやっていた経験があり、教育関係であるため前職(大学職員)の経歴を活かすことができ、子供に勉強を教える役に立つなど、自分にとって良い条件が揃っていました。
教育系は人手不足ということもあり、給与は高くないですが、地元の塾で働かせてもらえることになりました。
30代で大学職員から転職するポイント
30代で転職する方に向けて、アドバイスをお願いします!
全ての条件に納得いく転職は難しいです。自分にとっての優先事項をはっきりさせて転職活動しましょう。
大学職員の経験を活かせる仕事
30代で転職をする場合には、大学職員としての職歴が10年を越えているケースがほとんどでしょう。
大学職員と全く関係ない業界に転職する場合にも、大学での業務歴をアピールするといいでしょう。
- 事務職への転職・・・大学職員での事務仕事の経験をアピール
- ベンチャー企業への転職・・・大学で研究推進に携わり、成長性の高い業界に興味を持った
- サービス業への転職・・・教員・学生・保護者等さまざまな人と関わる経験をした
どんなことでも、大学の仕事にかこつけて説明することは可能だと思います。
給与・福利厚生・勤務地など、優先事項を決める
30代で事務職の管理職の求人は少ないため、同じような待遇で転職するのは難しいでしょう。
転職にあたって絶対に譲れない点を整理しておきましょう。
- 給与(最低限の年収)
- 福利厚生(完全週休二日制など)
- 勤務地(自宅から車通勤可能など)
- 業種
転職エージェントに登録すると、リクルーターと上記の点などを整理できるので、とりあえず登録してみるのもオススメです。
人と話さずに、AIシミュレーションを使ってみるのもアリです。無料で利用できるものもありますよ。
やりがいや勤務地などを軸に転職活動をして、塾講師に転職したのですね。非常に参考になるお話をありがとうございました!
塾講師の仕事は大変ですが、やりがいがあります!勉強だけでなく、人生の色んな経験を伝えられる先生になれるように頑張ります!
大学職員からの転職におすすめの転職サービス
30代で大学職員からの転職を検討している人におすすめの転職サービスを紹介します。
リクルーターと相談できる転職エージェントがおすすめ
30代になると、経歴・スキルから応募できる求人が限られてくるため、リクルーターと直接話して、求人を紹介してもらうのがおすすめです。
様々な転職エージェントがありますが、特殊な経歴がない大学職員にとっては、求人数の多い大手の転職エージェントを利用するのが無難です。
具体的には、リクルートエージェント・dodaの2社です。実際にリクルーターと相談すると、現実的な転職先がわかってきます。
ハイクラスの転職を目指すならビズリーチ
大学職員から、官公庁や独立行政法人へキャリアアップの転職をする人もいます。
- 公的機関の企画・財務などの経験
- 補助金等の獲得ノウハウ
- 文部科学省や自治体とのコネクション
上記のような点は、キャリアアップの求人でもアピールできるポイントです。官公庁の産学連携や広報部門の専門職・管理職ポストは近年でも求人が出ています。
キャリアアップの求人はビズリーチに多くあるため、キャリアアップの求人に興味がある方は、ビズリーチにも登録しておきましょう。