公務員と私立大学職員はどっちがオススメ?事務職の人気職業

国立大学職員からの転職先で多いのが、公務員と私立大学職員です。
どちらも事務職では、年収が高く安定している職業として知られています。
公務員と私立大学どちらを目指すか悩む人に向けて、本記事を書きました。
- 公務員と私立大学職員は事務職の人気職業
- 公務員をおすすめ・・・安定・公平・社会貢献を重視する人
- 私立大学職員をおすすめする人・・・年収を重視する人、教育・研究に興味のある人
公務員・私立大学職員それぞれのメリット・デメリットを紹介していきます。
ご自身が重視することや、試験の難易度を考えてどちらを目指すか、どちらに就職・転職するかを決めていただけばと思います。
主に国立大学からの転職先として比較していますが、新卒の人にも参考になると考えています。

私立大学職員の公務員の比較
項目 | 私立大学職員 | 公務員 |
給与 | 高い | 普通 |
福利厚生 | やや充実 | 充実 |
透明性 | 低い | 高い |
業務内容 | 学生サービス・教員サポート | 市民サービス(社会貢献) |
採用試験 | 簡易な筆記試験・面接試験 | 筆記試験対策の勉強が必要 |
採用倍率 | 高い | 普通 |
公務員と国立大学職員は、業務内容を除いて似ている部分が多いですが、公務員と私立大学職員では様々な違いがあります。
私立大学は、民間企業・学校法人が経営しているため利潤を追求しています。また、公務員ほどの透明性はなく、昇進や給与制度が曖昧であることも多いです。
採用試験も大きく異なります。
公務員試験は1年以上の勉強が必要と言われますが、私立大学職員は特別な対策なく面接試験に進むことができます。
私立大学職員の採用数は少ないため、高倍率であることが多いです。
私立大学職員への転職のメリット

国立大学職員から私立大学職員へ転職する人もいますが、私立大学は採用枠が少ないため、公務員への転職者よりも少ないです。
高年収、柔軟な勤務体系
私立大学職員は、国立大学職員や公務員に比べて高年収の職業です。
平均年収では国立大学に比べて150万円以上高いというデータもあります。
関連記事:【大学職員】私立・公立・国立 それぞれのメリット・デメリット
年収を上げるのなら、私立大学への転職をおすすめします。
また土曜日出勤がある私立大学では、その分長く夏休みを取れるなど、柔軟な働き方をしやすいのも嬉しい特徴です。
国立大学職員の経験をアピールできる
教員・予備校講師など教育関係の職業は多いものの、大学職員の人数はあまり多くありません。
国立大学職員での勤務歴と専門性を兼ね備えた転職希望者数は少ないため、採用されやすいといえます。
「国立大学で培ったスキルを使って、私立大学の運営を改善できる」ということを具体的なエピソードを交えて伝えれば、説得力のある志望動機になります。
特に、専門的なスキルがある場合は給与条件を交渉して転職できたというケースもあります。
【私立大学職員で求められるスキルの例】
- 文部科学省への提出書類の作成・コネクション
- 教務システムや入試システムの運用・導入
- 産学連携推進のための専門知識(特許・知財関係の契約など)
スキルがある人は、公募の有無に関わらず直接私立大学にアプローチしてもよいかもしれません。
関連記事:国立大学から私立大学に転職した事例!大学職員が年収アップする方法
私立大学職員への転職のデメリット
年収が高くホワイトと知られる私立大学職員にはデメリットもあります。
競争の激しさ
私立大学職員は、民間企業の会社員であるため、(みなし)公務員にはあまりない競争があります。
- 私立大学間での人気競争
- 他大学との受験者数競争
- 職員間の出世競争
学生からの受験料・授業料がメインの収入となっている以上、競争に勝って多くの収入を得ることが大学の継続には必要となります。
納得いかないことや、ルールを逸脱することでも競争のために、やらなければならないことがあるかもしれません。
国立大学では経験しなかった厳しさがあることも、覚悟しておいたほうがいいでしょう。
また、私立大学職員になる際の転職競争も激しく、数人の採用枠に500人を越える応募があるというケースもざらです。
国立大学職員から私立大学職員に転職活動をしているという人は10人以上聞きましたが、実際に転職できているのは専門性がある3人ほどです。
固定された人間関係
私立大学職員は、公務員ほど人事異動のルールが厳格でないため、人間関係が固定化されやすい特徴があります。
- 部長や課長がしばらく変わらない
- 理事長一族の権力が強く、民主的な合意がほとんどなされない
- 縁故採用の職員が、ずっと暇な部署に居座っている
一部の私立大学では上記のようなこともあるようです。
大手企業・公務員では、癒着を避けるために2~3年程度に1回は異動があり、民主的な評価・労務関係の相談窓口が定められています。
私立大学では、納得いかないことも受け入れるしかないという状況があるようです(透明性が高い私立大学も多いです)。
私立大学の人間関係に嫌気が差して国立大学に転職した方の事例は以下の記事で紹介しています。

公務員への転職のメリット

20代の国立大学職員からの転職先で多いのが公務員です。
公務員への転職は、根本的な考えに共通点が多いこと、国立大学より給与が良いことなどから人気があります。
給与・雇用・福利厚生の安定性
公務員は給与・雇用の安定が魅力です。
国立大学法人職員も安定した職業ですが、給与面やリストラの心配がないとい店では公務員に軍配が上がります。
国立大学の将来性や人間関係に不満を感じて、公務員に転職する人が多いです。
筆者としては、国立大学法人の運営に疑問を持つ人は、公務員の制度にも疑問を持ちそうな気がしますが。。
関連記事:大学職員はリストラがない安定の楽すぎ職場!将来性は?
筆記試験・面接試験にアドバンテージがある
国立大学職員の多くは、半年以上の勉強が必要な筆記試験(教養試験)、面接試験を突破して職員になっています。
公務員試験でも多くの自治体で教養試験が課されるため、勉強してきた実績が役に立ちます。
近年では、教養試験・専門試験を課さない公務員試験もありますが、面接でも国立大学職員としての経験はアドバンテージになります。
- 国立大学法人は、国家公務員の給与体系を踏襲し同様の共済組合に加入している
- 法律や規程を厳しく遵守して、業務を行っている
- 大学で得た経験・スキルを公務員での仕事にも活かしやすい
元国家公務員である国立大学法人職員は、同業経験者として評価されるケースが多いです。
関連記事:大学職員の最終面接で聞かれた質問を紹介!倍率や逆質問のコツも解説
公務員への転職のデメリット
給与や福利厚生では、国立大学法人より高待遇となりますが、デメリットもあります。
法令遵守の徹底
国立大学法人以上に公務員は法令遵守が求められます。
国立大学の規則に縛られた業務内容に、不満を抱えていた人は公務員として仕事を行っていても同様の不満を持つことになるでしょう。
以下のような方には公務員への転職は向かないと考えています。
- バリバリ仕事をして、給与を上げたい人
- アイデアや創造性のある仕事がしたい人
- 競争・出世意欲の高い人
リストラの心配がない代わりに、無能な先輩が自分より給与をもらっていることも受け入れなければなりません。

テレワークはしにくい
福利厚生が整っていて、休暇が取りやすい公務員ですが、テレワーク・在宅勤務の普及率は低めです。
国としてテレワークや多様な働き方を推進している一方で、市民サービスや業務内容からして出勤が必須になる部署が多いのが現状です。
成果をあげれば働き方は自由という企業も増えていますが、公務員は成果がわかりにくい分、出勤が求められるでしょう。

まとめ:公務員・私立大学職員採用は情報収集から
国立大学職員からの転職におすすめの、公務員と私立大学職員のメリット・デメリットを紹介してきました。
- 公務員・・・国立大学の上位職、筆記試験の対象年齢は拡がっている
- 私立大学職員・・・専門性があればチャンスあり、採用枠が少ないため粘り強くチャレンジ
実態としては、20代であれば公務員試験を受けての転職事例が多く(市役所・県庁)、30代以降になると社会人採用の公務員・私立大学職員転職者が増えてくるという状況です。
国立大学は待遇が悪いと言う人もいますが、休暇や休職を使いながらじっくり転職活動をできるのもいいところです。
国立大学に就職して、じっくり他の仕事をさがすのもいいでしょう。部署異動をしているうちに、好きな仕事が見つかるかもしれません。
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