大学職員は契約社員から正社員登用が狙い目!正規採用は狭き門
私立大学の事務職員は採用倍率が100倍以上になることも多い人気の職業です。
国立大学職員の採用倍率は低いものの、筆記試験の突破に数百時間の勉強が必要です。
「高学歴」や「専門的なスキルがある人」は、正社員の求人に申し込んでもいいですが、契約社員から正社員登用を狙うというのも1つの手です。
実際に、筆者の周りでも非正規雇用から正社員登用の例が多くあります。
- 民間企業で20年以上勤務した40代女性
- 契約社員で5年以上、実績を重ねた30代女性
- 結婚を機に大学職員になった20代女性
- 大学職員に正社員でなるのは「狭き門」
- 契約社員から正社員登用を狙うのもあり。実例を紹介
- 契約社員雇用のメリットや求人サイトを紹介
本記事では、現役大学職員が「大学事務職員の正社員登用の実態と対策」について解説します。
- 正社員登用は穴場
- スキルがなくても、コミュニケーション能力でなんとかなる
というのが、筆者の考えです。
大学事務職員の新規採用者の状況
大学事務職員の正社員の新規採用者数は減っています。一方で、契約社員の採用数は増えています。
転職サイトなどの情報を見ても、「契約社員」の求人は多くあることがわかります。
【参考】
大学は企業ではないので、「社員」という言葉を使わず、「職員」という言葉を用います。「正社員」「契約社員」はそれぞれ、以下のように言います。
- 正社員・・・「正規職員」「常勤職員」「専任職員」
- 契約社員・・「非正規職員」「非常勤職員」「嘱託職員」「パート職員」
本記事では、多くの人にわかりやすいように「正社員」「契約社員」という言葉を使います。
正社員採用数は減少傾向で「狭き門」
大学事務職員の正社員の人数は減っています。
18歳人口が減る中で、受験料収入が減っているのが大学業界です。職員の給料をカットすることは難しいため、採用数を減らしているのが全体的な傾向です。
有名大学でも年間の新規正社員の採用が数名ということが続いています。
人気ランキング上位の有名企業や国家公務員などと併願している優秀な人が、数少ない内定枠をとっているような状況にあります。
契約社員採用数は増加傾向
正社員の採用は少ないですが、それ以外の契約社員やパートタイムの募集は多くあります。
人件費を減らすため、正社員を減らし、契約社員やパートタイム職員を増やすという傾向があります。
「正社員の採用は難しく、不採用が続いている」という方は、契約社員を目指しても良いかも知れません。
契約社員・正社員問わず求人数が多いのは、マイナビ転職・リクナビNEXT・dodaの3社です。
大学職員の契約社員になるメリット
契約社員として働くことで以下のメリットがあります。大学職員の仕事が向いてるか試す期間にもなります。
- 大学事務の仕事を経験できる
- 希望の部署で働くことができ、転勤がない
- 正社員との人脈ができる
- ワークライフバランスを保てる
大学事務の仕事を経験できる
安定していてホワイトな職場環境と言われる大学職員ですが、「向いてない」という理由で辞めていく人もいます。
お試しとして契約社員として働いてみると、イメージとの違いを実感することができます。
大学職員を辞めていく人には以下のような意見を持つ人が多いです。
- ルーチンワークが多くつまらない
- 年功序列で、能力や努力が給与に反映されにくい
- スキルがつかない
一度経験してみると自分にあっている仕事かがわかります。
希望の部署で働くことができ、転勤がない
正社員として働く場合、基本的には部署異動・転勤を伴う働き方になります。
- 学生と関わる仕事がしたいのに、契約書類の作成ばかり
- 大学運営に携わりたいのに、医療事務に配属
このように人事異動の状況では、希望の部署で働けないこともあります。
契約社員であれば、自分の強みを活かせる部署を選択することも可能なので、正社員登用へのアピールにもなります。
正社員との人脈ができる
正社員登用を狙う場合、内部からの推薦があると面接試験の突破が容易になります。
採用権限のある人との人脈ができれば、採用がぐっと近づきます。
コミュニケーション能力に自信がある人は、契約社員として人脈を作ることが正社員として採用される近道かもしれません。
ワークライフバランスを保てる
契約社員であれば、ワークライフバランスを保ちやすいです。
家族や趣味の時間をとりつつ、資格取得など勉強をしながら、正社員登用を目指すのもいいでしょう。
転職活動を行う際にも、時間の融通が効きやすいです。
国立大学職員の求人は「事務補佐員」として求人が出ることが多く、仕事内容については以下の記事でも紹介しています。
契約社員から正社員登用の事例
大学職員への就職を目指すに当たり、契約社員から正社員登用も狙えます。
筆者の大学では、毎年5名以上が正社員に登用されています。
実際に、正社員より優秀な契約社員が多く、正社員登用された社員も含めた契約社員が大学を支えていると感じます。
「契約社員」が「正社員」より有能な理由
大学職員は、「ジョブローテーション制度」で2・3年に1回部署異動を行っています。異動したばかりの正社員は知識が不足していることもあり、長年同じ部署にいる契約社員の知識に頼ることになります。
契約社員の多くは女性ですが、コミュニケーション能力もあり、大学の事務仕事に欠かせない存在になっています。
契約社員のまま5年を超えての雇用となる場合は有期雇用から無期雇用に転換できますし、必要な人材であれば、積極的に正社員登用を行っている大学は多いです。
大学での業務に興味があって、自信がある方は「契約社員」からというルートを選んでもいいと思います。実際に、筆者の周りで正社員登用された例を紹介します。
ちなみに、どの方もMARCH未満の大卒・専門学校卒の経歴で、学歴はほとんど関係ありません。
事例①民間企業で20年以上勤務した40代女性
大手民間企業から、大学職員の契約社員に転職し、数年で正社員に登用されました。
大手企業でのマネジメント経験から、営業力・コミュニケーション能力が秀でており、非常に評価が高かったです。
- イベントでのリーダーシップ
- 上司への提案力
- コミュニケーション能力
このあたりの力が買われて、正社員登用となりました。40代でもチャンスがあります。
事例②契約社員で5年以上、実績を重ねた30代女性
大学卒業後、事務の契約職員として5年働程度働き、正社員に登用されました。
契約社員時代には、長年「人事・労務」業務を担当し、正社員以上の知識を身に着けていました。
- 継続的な知識の習得
- 正社員と同様以上の業務を担当できる
- 長年勤務で、多くの上司に認識された
継続的な仕事の能力が評価され、正社員登用となったケースです。
事例③結婚を機に大学職員になった20代女性
結婚を機に、大学事務の契約社員に転職し、2年ほどの勤務で正社員に登用されました。
大学の前にIT企業に勤務しており、大学は英文学科を卒業している英語も堪能な人です。
- PCスキルの高さ
- 英語能力の高さ
- 若さ
スキルの高さと将来性が評価され、正社員登用に至りました。
正社員に登用されるためのコツ・ポイント
正社員登用されるためのポイントは以下の3つにまとめられます。
重要なのが情報収集・人脈で、実績・スキルはさほど重視されません。
正社員登用の制度があるか情報収集
まずは、その大学が正社員登用を行っているかを調べましょう。
私立大学では様々ですが、国公立大学では正社員登用を行っていることが多いです。
求人に「正社員登用制度あり」と記載されている場合は大いにチャンスがあります。国立大学、私立大学ともに採用情報の専門ページを準備しています。以下は一例です。
公式に「正社員登用制度」を公開していない場合にも、上司の推薦で正社員登用されることがあります。契約社員としての就職後は、正社員との人脈を作って情報を集めるといいでしょう。
人事権がある人へコミュニケーション能力・やる気をアピール
正社員登用の制度が公式にあるかないかに関わらず、積極的に「やる気」をアピールしましょう。
自分の仕事を短時間で終え、周りの仕事を手伝って、チームに貢献するといいでしょう。コミュニケーション能力は最も評価されます。
直属の上司から人事権を持つ人へ推薦してもらうのが理想です。
短時間の面接での評価よりも、信頼できる人からの「推薦」のほうが採用に近づきます。
実績・スキルを示す(専門的な資格など)
「正社員に登用すれば、更に活躍してくれる」と判断できる実績があると、推薦のひと押しになります。
情報収集やコミュニケーション能力ほど重要ではありませんが、下記のような実績があれば、説得力のある推薦の材料になるでしょう。
- TOEICで800点を取得しているから、留学生の対応を任せることができる
- 経理課で契約社員として2年勤めていて、請求書処理がすごく早い。
- 電話の対応もメールの対応も非常に早く、先回りした丁寧な対応ができる。
大学事務・契約社員の求人の探し方
大学事務の求人の探し方にオススメなのは以下の4つです。
契約社員やパートタイムでの採用であれば、業務内容が指定されていることがほとんどです。経理業務・学生サポートなどです。
自分の自信のある(経験のある)分野で申し込めば、採用の確率も高いでしょう。
「研究助手」という職種で募集が行われていても、エクセルでデータをまとめるのが仕事の中心だったり、秘書に近い仕事ということもありますので、よく確認しましょう。
「マイナビ転職」「リクナビNEXT」「doda」などの大手転職サイト
まずは転職サイトへの登録を行いましょう。
サイトにより掲載求人が違うので、全てのサイトに登録すると多くの情報を得ることができます。
- 転職サイト・・・自分で気になる求人を探して申込みを行う(マイナビ転職・リクナビNEXT等)
- 転職エージェント・・・リクルーターと呼ばれる担当者が自分にあった求人を紹介してくれる(マイナビエージェント・リクルートエージェント・doda等)
メールが多くなるのが嫌な人は、マイナビ転職でマイペースに求人探し、転職について相談したい人はプロの担当者に相談できるdodaに登録するのがいいでしょう。
「シゴトin」などの契約社員の求人が多い転職サイト
あまり有名ではないですが、「シゴトin」というサイトは求人のまとめサイトのようなもので、大学事務の求人も多くあります。
契約社員の仕事を探す場合には、「シゴトin」を利用するのもいいでしょう。無料で登録可能です。
大学の求人募集ホームページ
大学事務の求人を大学のホームページで掲載しています。正社員はもちろん、契約社員の求人も多くあります。
内々でお金をかけずに募集するため、大学ホームページでのみ求人が公開されることもあります。勤務エリアなどを考えて、働ける大学が絞られる場合は大学のホームページも確認しましょう。
最新の求人情報の確認ができ、どれくらいのペースでどのような職種が募集されているかを確認することができます。
ハローワークはネットからも利用できる
ハローワークでの情報収集もオススメです。地域のハローワークに行かずとも、ネットから求人情報を見ることができます。
大学の契約職員の採用にはハローワークなどを利用して、お金をかけないことも多く、宣伝活動をあまりしていないので、ライバルも多くありません。
正社員・契約社員ともに大学職員の仕事内容を知るには、以下の書籍がおすすめです。大学の仕事の良い面も悪い面も知ることができます。
まとめ:契約社員から正社員登用を狙うのが穴場
大学職員の正社員採用数が少ないので、「契約社員からの登用も選択肢にすべき」ということを紹介しました。
- 契約社員からの正社員登用は狙い目
- スキルがなくても、人脈・コミュニケーション能力で正社員登用を狙える
正社員への就職・転職活動は面接・履歴書での一発勝負ですが、契約社員は長い期間かけてアピールすることができます。あなたのアピールポイントで正社員登用を狙ってみてはいかがでしょうか。
少しでも転職に踏み出したいという思いが湧いた人は、転職サイトの登録から始めましょう。
ひとまず、マイナビ転職・リクナビNEXT・dodaの3社に登録しておけば問題ありません。
転職サイト・転職エージェントのおすすめについては以下の記事で紹介しています。
また、大学職員への転職の情報収集を行いたい人は、「公務員転職ハンドブック」の利用もオススメです。
「公務員転職ハンドブック」は、資格試験予備校のクレアールに資料請求することでもらうことができます。
公務員転職用の資料ですが、公的機関の事務職である大学職員と類似点は多く、参考になる情報が満載なので、興味のある方は資料請求してみてください。
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