大学職員の採用に学歴フィルターはある!高卒にチャンスは?
大学職員に就職するのに「学歴」は関係あります。
大学ごとに決まった足切りラインがあるとは限りませんが、大学職員の採用には基準となる「学歴フィルター」を設けていると考えていいでしょう。
- 大学職員の採用には高学歴が採用されやすい
- 関東圏の人気大学では7割以上の職員がMARCH以上の学歴
- 私立大学と国公立大学で異なる「学歴フィルター」がある
本記事では、現役大学職員が「大学職員の採用と学歴の関係」について解説します。
大学職員の出身大学と学歴フィルター
大学職員には高学歴が多いです。実際に、筆者の大学(関東圏国立大学)の30代までのおおよその出身大学ごとの割合を紹介します。
- 早慶上智・都市圏国公立大学出身が40%(早稲田、上智、大阪、筑波など)
- MARCHレベル・地方国立が30%(立命館、法政、山形、茨城など)
- それ以下の大学が30%(駒沢、日本女子、帝京など)
おおよそ7割以上の若手職員が「高学歴」といわれる、私立大学・国公立大学の出身です。
「日東駒専レベルでふるいにかける」など明確な学歴フィルターはありませんが、学歴を基準に採用が行われていると考えていいでしょう。
40代以上の上司は、「最近、入ってくる子は高学歴ばかりでビックリする」と話しています。
大学職員はホワイト職場と知られ、人気のため、高学歴ではないと採用されづらい状況になっています。
大学職員に高学歴が多い理由
大学職員に高学歴が多いのは、人気の職業で倍率が高いことの他に、以下の理由があります。
- 学歴フィルターがある
- 筆記試験による足切り
- 教員が高学歴
- 採用する人が保守的
学歴フィルターにより高学歴の人が残る
公表することはないですが、応募が多い人気企業は「学歴フィルター」をかけて、選考に進む人数を絞っています。
有名私立大学の多くは採用時に学歴フィルターをかけていると考えていいです。足切りの基準は、MARCH未満あたりだと考えられます。
一方で、国立大学では筆記試験を行っていますので、学歴フィルターによる足切りはないと考えていいでしょう(筆記試験のない独自採用試験などは、学歴フィルターをかけている可能性もあります)。
国立大学では筆記試験を突破すれば、高卒・専門学校卒で採用されている人もいます。
筆記試験による足切りで残るのは高学歴の人が多い
国立大学では各地区で「国立大学法人等職員採用試験」という公務員試験に似た形式の大学職員採用試験を行っています。
SPIや常識問題のようなものとは違い、対策が必要なテストです。勉強が得意な人でなければ、6ヶ月以上の勉強が必要と言われています(高学歴の人は「常識問題レベル」といっている人もいます)。
また、有名私立大学など受験者の多い大学では、筆記試験の突破基準を高く設定しているため、結果として高学歴の人が多く採用されるのが実情です。
教員が高学歴のため、高い教養が求められる
大学教員は日本最高峰の高学歴が揃います。旧帝国大学(東京大学、京都大学、名古屋大学、東北大学、北海道大学、大阪大学、九州大学の七大学)の大学院を卒業しているのが平均的な学歴です。
私立大学の出身でも、海外の有名大学への留学経験があったり、常人離れした業績を有しています。
知の最高峰である大学教員を相手にするのに、教養のある高学歴の人が採用されやすいのだと思います。
採用担当が保守的
採用する側は、ルールに則って「正しい手順で仕事を処理できる人」を求めています。採用されやすいのは以下の特徴がある人です。
- コツコツ地味な仕事を頑張れる人
- 教員・学生のサポートにやりがいを感じられる人
- コミュニケーション能力が高い人
コツコツ頑張れる性質を示す1つの指標を「学歴」に見ているのかも知れません。受験勉強を頑張ったという信頼性があります。
採用する側は「有名大学出身だから間違えない」と考えて、高学歴者を採用しやすくなります。
一方で、「リーダーシップ」や「発想力」など革新的な能力はあまり求められない傾向にあります。
私立大学と国立大学の学歴フィルターの違い
学歴フィルターに関しては、私立大学より国立大学のほうが緩いです。
私立大学は採用倍率が高く、高学歴有利
私立大学の人気校は数名の募集に1000人レベルの応募があるため、非常に採用倍率が高いです。
全員の履歴書を見て、面接を行うのは困難なため、学歴フィルターはあると考えるべきです。
採用条件を「大卒以上」としている場合も多く、高卒や専門学校卒は対象外かもしれません。また、偏差値の高くない学校の出身である場合、書類選考を通過できない可能性も高いです。
一方で、大学が求めるスキルを履歴書に記載すれば、学歴フィルターを通過できることがあります。
- 「情報技術者資格」等、大学の求める専門的なスキルがある
- 海外の留学経験、3ヶ国語を操れるなど語学力がある
- 運動部出身で、フットワーク・体力は誰にも負けない
MARCH未満の学歴で採用されている人は、英語力やPCスキル、運動部での実績がある人がほとんどです。
学歴で選考に通らないという場合、契約社員として就職し、勤務実績をアピールして正社員への登用を狙うのもアリです。
国立大学は高卒・専門学校卒もチャンスあり
国立大学法人採用統一試験は学歴の制限を設けておらず、高卒・専門学校卒の方もチャンスがあります。
私立大学と違い、面接に挑む前に落とされる「学歴フィルター」はありません。
3.受験資格
平成5年(1993年)4月2日以降に生まれた者
※ 長期勤続によるキャリア形成を図る観点から、上記の方を募集します(雇用対策法施行規則第1条の3第1項3号のイ)。
2004年3月まで国立大学の職員は「国家公務員」で、当時は高卒・専門学校卒で採用されている人が多いです。そんな、年配職員の中には高学歴化をよく思っていない人もいます。
年配職員に好かれるのは、「体育会系」の人間です。
- 先輩からの誘いは断らない
- 飲み会では率先してお酌をする
- 休日のスポーツ大会で懇親を深める
体育会系で元気な姿勢を見せることがアピールになる相手もいることは覚えておいたほうがいいでしょう。大卒の人よりも年齢が若いのなら、なおさらアピールポイントになります。
実際に、毎年数人、高卒や専門学校卒で採用される職員がいます。
大学にとっても平均年齢が下がるので若い人を採りたい思いがあるのでしょう。また、社会人採用であれば職務経験が重視されるため、高卒でも関係なく採用されることがあります。
採用には「学歴」が重視されるが、昇進には「実績」
「採用時」には学歴が重視されますが、「昇進時」にはあまり学歴は関係ないです。出身大学によって出世する職員が偏る傾向や、昇進のための学歴フィルターもありません。
仕事を適切に、迅速に行なえる人が評価され、昇進する環境と言っていいでしょう。
コツコツと頑張って、実績を重ねれば高学歴の同期より早くの昇進も夢ではありません。
まとめ:高学歴でなくてもチャンスあり
大学職員と学歴の関係について解説してきました。大学職員に採用されるためには「高学歴」が有利なことは間違いありません。
多くの私立大学は学歴フィルターがありますが、中途採用や国立大学は職歴次第で高卒でもチャレンジできます。
国立大学を目指す方は筆記試験の試験対策から始めるといいでしょう。
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大学職員の倍率や採用に関する情報などは以下の記事でも紹介しています。