大学職員は暇すぎって本当?忙しい時期は?大学事務の仕事の実態
激務な業界から転職した方にとっては大学職員は「暇」だとよく言われています。
実態としては、ほぼ残業をしていない人もいますが、月50時間の残業を平均的に行っている人もいます。
- 大学職員は暇な部署も忙しい部署もある。実態を紹介
- 暇な人が多くなる理由を解説
- 「暇にしたい」「忙しくしたい」ための対策も紹介
仕事にゆとりがある職業に転職したくて、大学職員が候補になっている方には、参考になると思います。
また、現在大学職員として働いていて、仕事量を調節したいという方もぜひ最後までお読みいただければと思います。
大学職員は暇すぎ?実態を紹介
筆者の周りの主な部署の残業時間を紹介します(あくまで参考です)。
部署 | 月平均残業時間 | 理由 |
---|---|---|
文学部事務 | 10時間未満 | 小規模学部なので業務が少ない |
学生サポート部 | 10時間未満 | 事件・事故がなければ日中で仕事が終わる |
研究推進部 | 10~20時間 | 研究費申請時期などは忙しくなるが、平均すると15時間程度 |
工学部事務 | 10~20時間 | 小規模学部よりは忙しい |
附属病院医療事務 | 10~20時間 | ルーチンの締め業務があるため、毎日1時間程度残業 |
財務部 | 20~30時間 | 予算・決算、部署間調整など年中忙しい部署 |
人事部 | 20~30時間 | 採用・退職・配置替・規程改正など業務が多い |
情報システム部 | 30時間以上 | DX化、効率化を一手に担っているため常に残業している印象 |
「暇すぎ」というのは言い過ぎかもしれませんが、残業が多い部署でも月平均50時間以内には収まっている印象です。
- 毎日終電まで会社にいる
- 契約を取らないと帰れない
このような状況とは異なり、業務が重なることはあるもののある程度、自分でコントロールして仕事をすることができます。
忙しい部署はニュース扱われることの多い部署だと感じています。近年のキーワードで言えば「インボイス制度」「働き方改革」「テレワーク」「DX化」など、社会の動きに併せて大学のルールを決める部署は忙しくしています。
大学職員は暇と言われる理由
部署ごとの違いはありますが、大学職員は暇な部類の職業だと思います。以下の理由からです。
- 具体的な数字の目標がない
- 上司の監視がない
- ルーチンワークが多い
具体的な数字の目標がないから暇
大学事務は、具体的な数字の目標がありません。目標が定められていれば、目標に向かって数字を重ねることが求められますが、大学職員は与えられた仕事を行うだけです。
- メール・窓口問い合わせの対応を行う
- 提出された支払書類の確認・処理を行う
- 毎月の会議資料の準備を行う
いずれも、売上額などの目標があるわけではないので、ゆっくり仕事ができます。
数字を追いかけているわけではないので、効率化も行わず、ブラインドタッチすらできない中堅以上の職員は多いです。
上司の監視がないから暇
大学事務は、仕事が縦割りのことが多く、上司の監視がほとんどありません。
上司がチームをマネジメントして、暇な職員に新たな仕事を振ったり、忙しい職員の仕事をサポートしたりするのが、多くの組織の仕事の流れです。
しかし、大学事務では「上司の管理の元、組織で仕事を行う」ということがほとんど行われていません。具体的な数値目標がないため、上司が組織で成果をあげることを意識していないということが最大の理由でしょう。
ゆっくり仕事をやっても上司から怒られることがありませんから、のんびり仕事をやっている職員が多いです。上司の監視がなくても「暇」であれば、以下のような仕事を自発的に行う人がいてもいいでしょう。
- 繁忙期に備えて、資料整理をする。
- 忙しい人の業務を助けて、チームの残業時間を減らす。
- 人事異動に備えて、業務マニュアルを更新する。
しかし、事務職員では、暇になった時の仕事も行わずに、ネットサーフィンなどをしている職員も少なくありません。
数値目標がないため、仕事がゆっくりでも怒られず、結果的に暇になるという循環があるように感じます。
ルーチンワークが多いから暇
大学事務は、ルーチンワークが多い仕事です。
学生・教員の活動時期によって行うことは違いますが、毎年同じような仕事が続いていきます。
- 伝票処理
- 学生情報の入力
- 証明書の発行
- ホームページの更新
業務手順に慣れてしまえば、効率的に時間をかけずに行うことができます。
効率化が得意な人にとっては「暇」な仕事と言えるでしょう。
大学職員の仕事を暇にするには?
中には大学職員に転職したけれど、ずっと忙しいという人もいるでしょう。仕事を暇にするコツをお伝えします。
業務をルーチン化する
業務の中には必ず毎月・毎年行わなければならないものがあります。その業務を効率化することで、時間の捻出が可能になります。
具体的には以下のようなことが考えられます。
- メールやエクセルで定型文・雛形を用意する
- 単語登録を行い、タイピングの時間を減らす
- VBAなどのプログラミングで業務を省力化する
筆者は、プログラミングで毎月30分かかっていた業務を5分まで短縮したことがあります。
SEから転職してきた先輩職員にVBAのプログラムを組んでもらうことで、エクセル関数の使用が不要になり、データ抽出からワンクリックで必要な表を作れるようになりました。
最近では、生成AIでもプログラムを組んでもらえるので、試してみると良いでしょう。
外注を提案する
毎月・毎週の定型業務で残業が減らない場合には、外注を提案してもいいでしょう。
- 派遣社員に外注する
- システム開発を外注する
- 別の部署に渡す
「今年度の予算が余っていて、派遣社員を雇う経費が余っている」「別の部署が暇で手が空いている」ということもあるので、声をあげてみるのは1つの手です。
暇な部署への異動願を出す
部署の問題で慢性的な業務過多があり、すぐに改善できないケースもあります。そんな時は上司との面談時に異動希望を伝えるといいでしょう。
- 家族の事情で勤務地の変更希望を伝える
- ポジティブな理由で、他部署を経験したいと伝える
- 現在の人間関係の不満などを訴える
上から、オススメする方法です。
無茶な理由を伝えると上司からの評価が悪くなるので、ポジティブな理由を伝えるのが無難です。上司の評価を気にしないのであれば、ネガティブな理由を伝えても問題ありません。
大学職員の仕事を忙しくするには?
大学職員の仕事が暇すぎて、キャリアに不安をいだいている人もいるかもしれません。業務を忙しくする方法についても紹介します。
- 上司に相談する
- 他部署の業務を勉強する
- 趣味・副業を始める
上長に相談する
暇すぎるのであれば上司に相談して、仕事をふってもらうのがいいでしょう。
やりたい業務や描いているキャリアプランも伝えると、「やる気のある職員」という評価も上がります。
上司への相談でも、なるべくポジティブな理由を伝えるといいでしょう。
例:「業務に慣れてきたので忙しい方の業務を引き受けることが可能です。将来のキャリアも考えて予算管理などの業務も経験できればと思っています。」
他部署の業務を勉強する
予想以上の仕事を振られては業務過多になってしまうかもしれません。上司に伝えるのはちょっと・・という方は、業務時間に他部署の業務を勉強するのもオススメです。
他部署の業務を理解することは、業務を広い視点で理解でき、今の業務の効率化に繋がることもあります。
「他部署の作っているホームページを研究する」「人事や会計の理解を深める」など、大学職員として活躍するためにできることはあるはずです。
趣味・副業を始める
仕事はお金を稼ぐためのものと考え、暇でも何もしていない人が多いです。
仕事の時間は体力を温存し、趣味や副業に力を注ぐという考えをしてもいいでしょう。
実際に、筆者は大学職員として余裕ができた時にブログを始めています。副業や趣味が仕事に繋がることもありますし、稼ぎに繋がることもあります。
ブログが楽しくて、別サイト「教務.com」も運営しています。
まとめ:大学職員の仕事は時間をコントロールしやすい
大学職員が暇と言われる実態を紹介してきました。
部署による忙しさの傾向はあるものの、民間企業に比べると自分で仕事の時間をコントロールしやすい職業だと思います。
暇な人が忙しくなることも、忙しい人が暇になることも工夫次第では可能です。
時間の融通が効きやすいのがホワイト職場と言われる所以かもしれません。
大学職員の仕事に興味を持った方は、転職サイトに登録し情報収集から始めましょう。
転職サイトの登録は、マイナビ転職・リクナビNEXT・リクルートエージェント・dodaの4社がおすすめです。以下の記事で紹介していますので、参考にしてみてください。