大学職員のエントリーシートの書き方を紹介!志望動機・自己PRのまとめ方

エントリーシートに伝えたい内容がまとまっていれば、面接官にあなたの強みや人間性が伝わります。
しかし、志望動機・自己PR・ガクチカなどをまとめて説得力のある内容に仕上げるのは簡単ではありません。
- 大学職員のES(エントリーシート)の作成を一から解説
- 大学職員選考のES・履歴書記載のポイントを紹介
大学は公的機関なので、インターネット上に中期計画などの目標が掲載されているため、ちょっとしたコツを知るだけで、エントリーシートをブラッシュアップできます。
実際のホームページ掲載の内容を参照しながら、解説していくので参考にしてみてください。

大学の中期計画・中期目標を確認

国立大学であれば中期計画・中期目標、私立大学であれば事業計画のようなものが定められ、ホームページに掲載されています。例えば、東京大学・慶應義塾大学では以下のページです。
エントリーシートを書くのに、まずは大学が掲げている目標を確認し、自分の強みと関連付けられそうなものを見つけましょう。
例えば、以下のキーワードをピックアップします。
- 責任ある研究・イノベーションの推進(研究倫理の強化)
- インスティテューショナルリサーチに基づく意思決定の高度化(IR分析)
- ダイバーシティ支援
大学が目指すキーワードとなっているこれらの事象に関して、自分が採用されることで貢献できることを伝えられれば、説得力のある志望動機になります。
ただ、ここで選ぶキーワードは計画に掲げられていれば何でもいいわけではありません。
全学的に推進しているキーワードかを確認する

中期目標・中期計画は、国立大学が文部科学省に提出している計画であるため、多くの内容が詰まっています。私立大学でも、様々な情報が公開されています。
実は大学が定める計画の中でも、志望動機に用いるキーワードとして選んではいけないものもあります。
労働環境の改善や特定の学部の取組はNG
例えば、以下のような事項は選ばないほうがいいです。
- 男性の育児休業取得率など、労働環境に関すること
- 特定の学部での取組など、全学的には影響の少ないもの
労働環境の改善を就職・転職でアピールされても「採用したい」とはならないでしょうし、特定の学部の取組まで面接官が把握していないこともあるからです。
先ほどの例でいえば、「ダイバーシティ支援」は労働環境・働き方に関することなので、あまりエントリーシートに記載するのには向いていません。
全学会議で議題になっている内容を選ぶ
では、どんなキーワードを選ぶかというと、全学会議の内容が参考になります。
例えば東京大学では、教育研究評議会という全学の会議が開催され議事録も公開されています。
全学の会議には面接官を担当するような部長・課長も参加しているため、会議の議題となっているものは大学として重視しているキーワードと考えることができます。
教育研究評議会の議事録を見ると以下のような議題が取り上げられています。
- 東京大学研究倫理審査実施規則等の一部改正
- UTokyo Compass モニタリング指標
前者は研究倫理関係、後者はIR関係の議題であることがわかります。
先ほど取り上げた「責任ある研究・イノベーションの推進(研究倫理の強化)」「インスティテューショナルリサーチに基づく意思決定の高度化(IR分析)」は中期計画・中期目標に記載されるとともに、実際に会議でも議題になっている「ホットなキーワード」ということがわかります。
ここまで調査を行ったら、「研究倫理の強化」と「IR分析」をキーワードにエントリーシートの志望動機関係の記載をまとめていきましょう。
時系列をずらしてエントリーシートを作成
志望動機や自己PRの作成を行うときには、時系列をずらしたエントリーシートの作成がオススメです。
これは、直木賞作家の朝井リョウさんがおすすめしている志望動機のまとめ方です。
- 「自分がやってきたこと(過去)」と「企業がやっていること(現在)」
- 「自分が今取り組んでいること(現在)」と「企業の将来計画(未来)」
それぞれをリンクさせて、ESを記載すると説得力のある内容になるというものです。
「自分がやったこと(過去)」と「大学がやっていること(現在)
「自分が過去にやってきたこと」と「大学がやっていること」を関連付けると、職務経歴書やガクチカにまとめることができます。例えば、以下のような内容になります。
大学時代から研究倫理に興味を持ち、ゼミでは研究を進める上での倫理教育の授業を後輩に行った(過去)ことがあります。貴学では研究に関する専門職を中心に研究倫理教育を進めています(現在)が、私も事務職員として貢献できると考えています。情報技術の最新情報をキャッチして、マニュアル等にまとめるのも得意です。
私の実績(過去)と大学の取組(現在)の関連性から、活躍できそうな姿がイメージできます。

「自分がやっていること(現在)」と「大学の将来計画(未来)」
「自分がやっていること」と「大学が目指していること」を関連付けると、志望動機(大学でやりたいこと)にまとめることができます。例えば、以下のような内容になります。
現職では、統計ソフト・AIを用いたビッグデータ分析を行っています(現在)。社内の要望に応じて、データをまとめ、わかりやすく早く必要な情報を提供することが私の強みです。中期計画では、貴学はIR分析を用いた大学改革を目指すと記載されています(未来)。今後事務職員にも知識・能力が求められる分野だと感じています。IRが必要な時に、力を発揮できると考えています。
私の取組(現在)と大学の将来計画(未来)の関連性から、キャリアプランがあり、長く活躍してくれそうなイメージができます。
現在あるスキルでなく、勉強中でも問題ないと考えています。「自分と大学のキャリアプランの一致」が重要です。

大学職員のES・履歴書の書き方

ここまでは具体的なESの書き方を紹介してきましたが、全体的な書類作成のポイントも紹介します。
基本的な内容以外に、大学職員として働くための書類作成で意識すべきことは以下の4点です。
- 説得力のある志望動機
- 人をサポートしたエピソード
- コンプライアンス意識の高さ
- 単純作業を苦にしない
説得力のある志望動機
ESでなによりも大切なのが、志望動機です。
- 大学職員を志望した理由
- その大学を志望した理由
- 自分が貢献できること
これらの全てに回答できるよう、本記事で紹介している例文を参考にオリジナルの志望動機を作成しましょう。
他の大学ではない独自の理由として、中期計画などを参照する必要があります。
人をサポートしたエピソード
「人をサポートしたエピソード」があるかも重要なポイントです。
大学職員は、教員や学生をサポートするのがメインの仕事で、裏方的な仕事を任されることが多いです。
- 先生が作成した申請書類のチェック
- 会議資料の準備・取りまとめ
- 人事・給与・経理関係手続き等
人をサポートしたエピソードがあると、大学職員に適正があることを示せます。
「リーダーシップ」や「高い能力」よりも、「協調性」を意識した書き方にしましょう。例としては以下のような書き方です(具体的な工夫やサポートした時に苦労した点も記載すしましょう)。
- 部長として、部員の意見をしっかり聞くことに注力した
- ゼミでは留学生が多かったため、語学力を上げてコミュニケーションの円滑化を図った
- アルバイトでは「社員さんの手が回っていないこと」をサポートすることを意識した
直接的に大学の仕事と関係なくても、サポートを行った協調性がアピールできると、面接官に「大学で教員や学生をサポートする姿」を想像させることができ、印象がよくなります。
コンプライアンス意識の高さ
大学は公的機関のため、コンプライアンス意識の高い職員が好まれます。
優れた能力があっても、コンプライアンス意識に疑念を持たれるようなエピソードは辞めたほうがいいでしょう。例として、以下のようなものです。
【エピソードの悪い例】
- 趣味:競馬・麻雀など、ギャンブルの印象が強いもの
- ライバルを蹴落として、勝利したエピソード
- ルールの抜け道を見つけて、成功したエピソード
個性が強すぎるエピソードや、ギャンブルの印象が強いエピソードはNGです。
「コツコツ努力を重ねた」「時間をかけて信頼関係を構築した」など、地道なエピソードのほうが印象はいいです。
単純作業を苦にしない
単純作業が地道にできる人は、大学事務に向いています。大学職員の仕事は地道なチェック作業が多いです。
【大学職員の仕事の一例】
- 膨大な数の伝票をひたすらチェックする
- 卒業論文、修士論文概要に誤字脱字がないかチェックする
- ホームページの情報更新(リンク切れがないか等)
チェック業務をつまらないと感じる人は多いですが、単純作業を正確に継続できる人は評価されます。
部活を10年間続けた、バイトをコツコツ続けて店長代理になったなど「継続力」は良いアピールになります。

まとめ:エントリーシート作成は情報収集から
大学職員採用のためのエントリーシート作成の手順を紹介しました。
今回お伝えしたのは、単純に自分の伝えたいことをまとめるよりも、大学が掲げている目標から逆算して、自己PRや志望動機をまとめる方法です。
まずは本記事で紹介した内容でESをまとめてみることをオススメします。
まとめてみて自己PRに説得力がないように感じたなら、「今、関連書籍を10冊読んで勉強している」とするのもいいでしょう。必要な知識を習得する時間を惜しまないというのも、充分自己PRになります。
面接対策のポイントなども紹介していますので、他の記事も参考にしてみてください。
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