大学職員の採用に学歴フィルターはある?私立・国立の違いと出身大学の実態

大学職員に就職するのに「学歴」は関係あります。
「〇〇ランク以下の大学の出身者は採用しない」という明確な学歴フィルターがある大学も有名私立大学にはあると言われています。
明確な学歴フィルターがないとしても、大学職員には高学歴者が多いのは明白です。
- 大学職員の採用には高学歴が採用されやすい
- 関東圏の人気大学では7割以上の職員がMARCH以上の学歴
- 私立大学と国公立大学で異なる「学歴フィルター」がある
本記事では、現役大学職員が「大学職員の採用と学歴の関係」について解説します。

私立大学と国立大学の学歴フィルターの違い
学歴フィルターに関しては、私立大学のほうが国立大学より厳しいです。
私立大学は採用倍率が高く、学歴フィルター有の大学が多い
私立大学の人気校は数名の募集に1000人レベルの応募があるため、非常に採用倍率が高いです。
全員の履歴書を見て、面接を行うのは困難なため、学歴フィルターがあると考えるべきです。実際に、誰もが知る人気校では日東駒専の人は面接前に落とされるという話を聞いたことがあります。
偏差値の高くない学校の出身である場合、書類選考を通過できない可能性も高いですが、大学が求めるスキルをES・履歴書に記載すれば、学歴フィルターを通過できることがあります。
- 「応用情報技術者試験」等、大学の求める専門的なスキルがある
- 海外の留学経験、3ヶ国語を操れるなど語学力がある
- 運動部出身で、フットワーク・体力は誰にも負けない
MARCH未満の学歴で採用されている人は、語学力や運動部での実績がある人が多いです。
また、私立大学では大学出身者を多く採用している傾向があります。
国立大学は試験次第!高卒・専門学校卒もチャンスあり
国立大学法人採用統一試験は学歴の制限を設けておらず、高卒・専門学校卒の方もチャンスがあります。
私立大学と違い、面接に挑む前に落とされる「学歴フィルター」はありません。
3.受験資格
平成7年(1995年)4月2日以降に生まれた者
※ 長期勤続によるキャリア形成を図る観点から、上記の方を募集します(雇用対策法施行規則第1条の3第1項3号のイ)。
2004年3月まで国立大学の職員は「国家公務員」で、当時は高卒・専門学校卒で採用されている人も多いです。
筆記試験は点数勝負なので、学歴フィルターはありませんが、採用されている人は高学歴な人が多いのが実態です。
フィルターはないものの、学歴が高い人のほうが面接を突破しやすいという傾向は間違いなくあります。
また、近年は共通の筆記試験を行わない、国立大学が増えています(独自試験という)。独自試験では応募が多いので、学歴フィルターをかけている可能性はあります。
【関連記事】国立大学法人は統一採用試験・独自採用試験どっちが採用されやすい?
国立大学職員の出身大学(学歴)の実態
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実際に、筆者の大学(関東圏国立大学)の30代までのおおよその出身大学ごとの割合を紹介します。
- 早慶上智・都市圏国公立大学出身が40%(早稲田、上智、大阪、筑波など)
- MARCHレベル・地方国立が30%(立命館、法政、山形、茨城など)
- それ以下の大学が30%(駒沢、日本女子、帝京など)
おおよそ7割以上の若手職員が「高学歴」といわれる、私立大学・国公立大学の出身です。
「日東駒専クラスでふるいにかける」など明確な学歴フィルターはありませんが、学歴が一つの採用基準になっていると考えていいでしょう。
40代以上の上司は、「最近、入ってくる子は高学歴ばかりでビックリする」と話しています。
大学職員はホワイト職場と知られ、人気のため、高学歴ではないと採用されづらい状況になっています。
大学職員に高学歴が多い理由

続いて、大学職員に高学歴が多い理由を考えてみます。以下の理由が挙げられます。
- 学歴フィルターがある
- 筆記試験による足切り
- 教員が高学歴
- 採用する人が保守的
学歴フィルターにより高学歴の人が残る
公表することはないですが、先述の通り応募が多い人気大学は「学歴フィルター」をかけて、選考に進む人数を絞っています。
足切りの基準は、MARCH未満あたりだと考えられます(MARCH未満は不合格)。

筆記試験による足切りで残るのは高学歴の人が多い
国立大学では各地区で「国立大学法人等職員採用試験」という公務員試験に似た形式の大学職員採用試験の一次試験(教養試験)を行っています。
SPIや常識問題のようなものとは違い、より入念な対策が必要な試験です。勉強が得意な人でなければ、6ヶ月以上の勉強が必要と言われています。
また、有名私立大学など受験者の多い大学では、筆記試験(SPIなど含む)の突破基準を高く設定しているため、結果として高学歴の人が多く採用されるのが実情です。
教員が高学歴のため、高い教養が求められる
大学教員は日本最高峰の高学歴が揃います。旧帝国大学(東京大学、京都大学、名古屋大学、東北大学、北海道大学、大阪大学、九州大学の七大学)の大学院を卒業しているのが平均的な学歴です。
私立大学の出身でも、海外の有名大学への留学経験などの業績を有しています。
知の最高峰である大学教員を相手にするのに、教養のある高学歴の人が採用されやすいのだと思います。
採用担当が保守的
採用する側は、ルールに則って「正しい手順で仕事を処理できる人」を大学職員として求めています。採用されやすいのは以下の特徴がある人です。
- コツコツ地味な仕事を頑張れる人
- 教員・学生のサポートにやりがいを感じられる人
- コミュニケーション能力が高い人
コツコツ頑張れる性質を示す1つの指標を「学歴」に見ているのかも知れません。受験勉強を頑張ったという信頼性があります。
採用する側は「有名大学出身だから間違えない」と考えて、高学歴者を多く採用している可能性もありますね。
採用担当には保守的な人が多く、「リーダーシップ」や「発想力」などをアピールする学生はあまり求められていないと考えています。

大学職員の学歴に関するQ&A
昇進しやすいのも、学歴が高い人?
「採用時」には学歴が重視されますが、「昇進時」にはあまり学歴は関係ないです。出身大学によって出世する職員が偏る傾向や、昇進のための学歴フィルターもありません。
仕事を適切に、迅速に行なえる人が評価され、昇進できる環境と言っていいでしょう。
コツコツと頑張って、実績を重ねれば高学歴の同期より早くの昇進も夢ではありません。

低学歴でも採用されるのはどんな人?
終盤の面接を行う50代以降の職員の中には高学歴化をよく思っていない人もいます。頭が良いばかりで、人間味がない若手が多いなどと話しています。
そんな面接官に好かれるのは、「体育会系」の人間です。比較的低学歴の中では、体育会系(大学で体育会に所属していた人)の採用者が多いです。
- 先輩からの誘いは断らない
- 飲み会では率先してお酌をする
- 休日のスポーツ大会で懇親を深める
実際に、国立大学では毎年、高卒や専門学校卒で採用される職員がいます。
大学にとっても平均年齢が下がるので若い人を採りたい思いがあるのでしょう。また、社会人採用であれば職務経験が重視されるため、高卒でも関係なく採用されることがあります。

まとめ:大学職員には高学歴が多い
大学職員と学歴の関係について解説してきました。大学職員に採用されるためには「高学歴」が有利なことは間違いありません。
明確な学歴フィルターがあるかはわかりませんが、採用される人には高学歴の人が多いです。
- 私立大学:倍率が高いので、学歴フィルターがあることが多い
- 国立大学(独自試験):学歴フィルターによる足切りの可能性あり
- 国立大学(統一試験):筆記を突破すれば、学歴に関係なく面接に進める
学歴に関係なくチャレンジできるのは、国立大学法人の統一試験です(年齢制限はあり)。
国立大学(統一試験)を目指す方は筆記試験の試験対策から始めるといいでしょう。

私立大学や国立大学(独自試験)を目指す人は、ひとまず多くの大学に応募してみましょう。学歴を重視していない大学もあります。
本サイトでは、学歴に関係なく合格できるよう、大学職員採用のポイントを紹介していますので、以下の記事なども参考にしてもらえればと思います。


