大学職員のきつい部署・楽な部署・出世におすすめの部署を紹介
大学職員は配属部署によって、忙しさが大きく異なります。
知らずに激務部署に配属され休日出勤が多くなる前に、部署ごとの情報を知っておきましょう。
- きつい部署・・・財務、総務・人事、病院事務
- 楽な部署・・・学生支援、小規模学部、図書
- 出世する人の花形部署・・・総務・人事、財務の本部勤務
国立大学職員として7年以上勤務し、4つの部署を経験した筆者が大学職員の部署の忙しさを解説していきます。
出世コースにのる花形部署も紹介しますので、参考にしてください。
大学職員のきつい忙しい部署トップ3
大学職員の勤務経験から、忙しく、きつい部署を3つ紹介します。
大学本部財務部
財務部は、大学全体のお金を管理する部署です。
入学金や授業料のほか、国から交付される「運営費交付金」や「附属病院の診療報酬」なども含めた大学の予算・決算業務を担当します。
決算のタイミングが繁忙期になることはもちろん、大学の方針に従った予算配分や固定資産管理を行っているため、1年中業務量の多い部署です。
間違えが許されない部署で、学生や教員から感謝されることも少ないため、きついと感じることも多いでしょう。
大学全体のお金の動きを決める重要な仕事のため、優秀な職員が配属される傾向があります。
総務・人事系の部署
総務・人事系の部署も激務になりやすいです。
採用・人事異動の手続きから、学内会議・広報・教員の秘書的役割も担当します。
「学務でも会計でもない業務は、ひとまず総務が担当する」という風習もあり、業務過多になることが多いです。
様々な業務をやっていて常に忙しくしているのが総務・人事系の部署です。
特に、組織改編・規程改正などがある場合には各種部署との調整が必要になり期限もあるため、仕事がきついと感じることも多いでしょう。
総務・人事系の部署でも小規模学部や、学部長が優しい場合には、あまりきつくないケースもあります。
病院事務系の部署
附属病院のある大学では、大学職員の異動先として「病院事務・医療事務」があります。
- 患者さんと直接対応する「病院窓口」
- 医療に関する請求を行う「医事課」
- 医師・看護師の勤怠管理を行う「人事課」
医師や看護師の勤務時間が長いことにつられて、病院事務の勤務時間も長くなることが多いです。
また、事務職員へ無茶な要求をする病院職員がいるという話も聞きます。
大学が長期休暇の期間でも、病院には患者さんが来ているため休めなかったりと、特有の忙しさがあります。
大学職員の楽な部署トップ3
大学職員でも勤務時間が短く、楽と考えられている部署も紹介します。
学生支援担当部署
成績管理や卒業判定を担当する教務担当は業務が多くなりやすいですが、学生支援担当は比較的楽な部署です。
- 奨学金・授業料免除の手続き
- サークル・部活動の活動管理
- 体育施設や学生寮の維持管理
- カウンセリング、学生相談窓口
細かな会計処理や人事手続きに比べると、正確性を求められない仕事が多いです。
学生とのやりとりが多いため、やりがいもある仕事で、穴場と言えるでしょう。
小規模学部担当部署
大学では、学部ごとに窓口が設置されています。
学生数や教員数が多い学部ほど、業務が多くなりやすいです。
- 法学部
- 経済学部
- 工学部
- 文学部
- 農学部
- 情報学部
大学によって学部の規模は異なりますが、学生・教員数の少ない学部は仕事が楽になりやすいです。
楽な部署への配属を希望する場合は、「伸びしろの大きい学部を支援したい」などの理由を話して、小規模学部を狙ってみるのもいいでしょう。
図書系部署
大学職員の中には、大学の図書館で働く職員もいます。
司書資格を取得している職員が多くを占めますが、事務職員が異動になるケースもあります。
図書系は定型的な業務が多いため、穴場の部署といえるでしょう。事務職員として採用されている場合、希望しても図書系の部署には異動できない大学もあります。
大学職員のおすすめ部署・出世コース
忙しさ以外にも、楽しい部署や花形部署も紹介します。
より深い情報が知りたい方は、国立大学法人等職員採用試験攻略ブックなどで現役職員のインタビュー記事を読んでみるのもいいでしょう。
出世コースとなる部署:総務・人事系、財務・会計系
大学職員として、出世しているのは「総務・人事系出身」「財務・会計系出身」のいずれかが大半を占めています。
大学の事務の花形部署は、ヒト・ルールを動かす「総務・人事系」、カネを動かす「財務・会計系」といえます。
出世を目指す場合は、いずれかのスペシャリストになるのが近道です。
総務・人事系または財務・会計系として、3部署以上経験すれば、専門性が身につき出世に近づくでしょう。
人事部や財務部などで複数の係を経験し、学部の事情もわかるようになれば出世コースにのったといえます。
これらの部署は上長の人事権が強いことも多く、成果をアピールしやすいというメリットもあります。
仕事が楽しい部署:留学生関係・学生支援
仕事の楽しさを重視したい場合は、学生とコミュニケーションをとる仕事がおすすめです。
- 留学生の日本での生活をサポートする留学生課
- 協定校への出張なども含めた国際交流企画
- 奨学金やサークル活動の申請を受け付ける学生支援窓口
学生のために仕事をしているというやりがいを感じられることと、教員からのプレッシャーを感じることが少ないという側面があります。
学生支援系の部署の職員は楽しく仕事をしている人が多いです。
ただし、採用前の段階で「学生支援」を志望動機にするのはあまりオススメできません。「学生支援をしたい」という受験者が多いため、業界研究不足というイメージを持たれる可能性があります。
有資格者におすすめの部署
特に働き方の希望がない場合は、「資格」を中心に考えるのもいいかもしれません。
- 簿記を取得しているので経理課
- 英語の勉強をしていて、スピーキングを身につけたいので留学生課
- PCの資格を活かすために情報システム課
既に資格を取得している場合は異動希望が通りやすいです。これから勉強していきたいという場合も、上司に伝えておくに越したことはありません。
自分のやりたいことや適性を分析したい人は、キャリアシミュレーションもオススメです。無料のAI診断などもあります。
大学職員が忙しくなるケース
部署ごとに業務量の過多はありますが、大学によっても大きく変わります。
大学職員の仕事が忙しくなるケースについても紹介します。
勤務時間の長い先生がいるケース
大学職員の主な仕事は、「大学教員のサポート」です。
- 大学教員の人事労務手続き
- 大学内の会計処理
- 研究費の申請書類確認
- 会議資料の準備
比較的ホワイトな仕事と考えられている大学職員の仕事ですが、要望の多い教員がいると業務量が増えてしまう傾向があります。
学部の場合は教員ですが、大学本部では学長や理事によって変わります。
学長や理事が変わると、仕事に求めることも変わるため忙しくなるケースがあります。
新規事業などがあるケース
新たな取組のために忙しくなることもあります。
- 新たな学部・入試の導入
- 大規模な組織改編(改組)
- 記念イベントなどのシンポジウム
新規事業などがあるタイミングに重なると忙しくなってしまうので、大学内の取組を把握しておいて、異動希望を出すのもいいでしょう。
大学職員の繁忙期は1月~4月頃
- 入学共通テスト、個別入試
- 4月の人事異動準備
- 後期試験
- 成績判定、卒業判定
- 年度末決算
- 入学式、新入生ガイダンス
部署に関わらず、大学では1月~4月は業務量が増えます。
一方で学生が夏休みの時期は職員も長期休暇がとりやすい時期にあたります。
部署異動の希望を通すには?
ここまで様々な部署の特徴を紹介してきましたが、実際の部署異動は人事部や上司によって決められます。
部署異動の希望を通すコツは「人事権のある上司とのコネクション」に尽きると考えています。
- 資格を取得している
- 自宅に近い勤務地を希望している
- 人間関係が良くないため異動したい
上記のような理由があっても、人事権のある上司を説得しないことには異動は叶いません。
人事権のある上司とのコネクション作りの具体的な行動は以下のようなものです。
- 人事権のある直属の上司に、具体的な異動希望先と実績を伝える(簿記2級を取得したので、経理課に異動したいなど)。
- 異動希望先の部課長と顔見知りになる(同期などを通じて、希望先の課長が参加する飲み会やスポーツ大会に参加するチャンスを伺う)。
積極的にアピールすることはもちろんですが、戦略的に考えることも重要です。
例えば、人事系を歴任してきた課長は優秀な職員を「人事系の部署にとどめておきたい」と考えるでしょう。その状況では、あえて評価を上げないほうが、他部署への異動希望が叶いやすいかもしれません。
必ずしも評価されている人が希望部署に異動できるわけではないということを覚えておきましょう。
まとめ:部署の情報収集が重要
大学職員のきつい部署・楽な部署を紹介してきました。
- きつい部署・・・財務、総務・人事、病院事務
- 楽な部署・・・学生支援、小規模学部、図書
- 出世コースの部署・・・総務・人事、財務
大学によって忙しさは異なるため、参考情報と考えていただければと思います。
学内の情報収集が最も重要です。先輩から情報収集を行うとともに、残業時間を公表していないか検索してみるのもいいでしょう。
また、大学職員に転職する場合は、契約社員からの正社員登用も国立大学では頻繁に行われていますので、狙い目です。
契約社員や事務補佐員として部署の傾向をつかむのもいいでしょう。
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